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zm side
zm「…ッ…は、はぁっ…」
無我夢中だった。残っていた力を振り絞り、俺を拘束していた手から逃れた。
囲んでいた敵を蹴散らし、ロウの姿を探す。どれだけ辺りを見回しても、目に入ってくるのは石ころのように転がっている敵兵だけだった。
こんな性格のせいで、彼と出会ってから素直にものを言ったことはなかった。まだ、「ありがとう」も「ごめんなさい」も伝えてないのに。
ht「ゾム！！」
自分を呼ぶ声が聞こえて振り向けば、見慣れた白い馬に跨がるひとらんと、ひとらんの部隊の姿が。
ht「ロウくんは？何があったの！？」
涙を流して立ち尽くす俺に、ひとらんが心配そうに声を掛けてくれた。
けど、今はその優しさがまるで俺を責めるみたいに追い詰める。
zm「…めんな、さい…ごめ、んなさい…」
あきらかに普通ではない様子を察してか、ひとらんは俺を馬に乗るように促す。
ht「一旦帰ろう…？みんな心配してるよ。」
背中を擦るひとらんの手が、いつもより暖かく感じた。
ひとらんの後ろでボーッとしていると、いつの間にか着いていたようだ。
ひとらんが心配そうに手を引いてくれる。
ht「俺は今からこの子たちを帰しに行かないといけないんだけど、大丈夫？誰か呼ぼうか？」
わざわざ両手を取りながら聞いてくれるひとらんに申し訳なく思いながらその提案を拒否する。
これ以上迷惑を掛ける訳にはいかないし、ひとらんがそのまま帰って来たのならきっと戦争は終わったのだろう。
それなら会議があるはずだから早く行って、報告しなければ。
焦る思考とは裏腹に、疲れ果てた体は思うように動かない。
ダクトに上る元気も無いので、壁に手を着きながら歩く。
本当はインカムを使えばよかったのに、よほど疲れていたのか、この時の俺にそんな思考は浮かんでこなかった。
zm「…っ…はよ、行かな…」
恐ろしいほど静かで、長い長い廊下。
いつもは何とも思わず鼻唄を歌って走って行けるのに。
やっと辿り着いた会議室。ゆっくりと扉を開けると、待ってましたとでも言わんばかりにグルッペンの声が掛かる。
gr「何があった？」
金色の眼光が俺を突き刺す。
疲れていたことも忘れ、床に片足着き、いつもはしない報告の仕方をする。
zm「…報告、致します。我々国兵、ロウが俺の注意不足により、敵兵により連れ去られました。申し訳、ございません…」
怖くて顔を上げられない。ここには何人もいるはずはのに、まるで俺一人かのような孤独感に見舞われた。
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ブラウン(プロフ) - 雨天時さん» コメントありがとうございます！若干スランプで更新頻度遅いですが、頑張ります！！ (2021年3月23日 21時) (
レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)
雨天時 - え、待って神作じゃないっすか (2021年3月22日 22時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - らいらいさん» コメントありがとうございます！！私も更新がんばるんるんです。 (2021年3月9日 20時) (レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - えっ…好き。続きが気になりまくるんるんです！更新楽しみにしてます！でも体調にはおきおつけて、 (2021年3月9日 19時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - まんぼーごりらさん» 嬉しいです！更新頑張るどー！！ (2020年12月23日 15時) (レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)
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