【d!】落ちこぼれ魔法使い【男主】

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you side

sya「よし、じゃあ早速報告……」

『まてまてまてまて！！』

今にも部屋を飛び出していきそうなこいつを、必死に服を引っ張って止める。

sya「？なんや、なんか問題あるんか？」

『いやいやいや！問題だらけでしょーが！ 』

きょとん、とでも聞こえてきそうな顔に、ビシッと指を指す。

『ただでさえ僕は疑われてるんですよ！？まだ来たばかりで信頼もされてないやつがいきなり「なんか手から出た！」って言ったら殺されるわ！！』

まだ自分のこともよくわからないのに殺されるのは御免だ。

sya「そうやなぁ…じゃあどうすればええん？」

お手上げ、とも言わんばかりに首を振って見せた。

『…二人だけの秘密、ってことに出来ますか？』

みんなにはまた慣れた時に話せばいいだろう。

sya「…エミさんに言うことはできへん？」

『？なんでですか…？』

エミさんはそこまで敵意をかんじることはないので言っても問題はないけど…

sya「エミさんって色々知っとるから言っといたらなんか調べてくれるんちゃうか？」

どうや？、と真面目そうな顔で聞いてくるシャオロンは本当にいいやつだなぁ、と痛感する。

初めて会った人に優しくできる自信は僕にはない。

『…じゃあ、お願いします。』

sya「了解。んじゃあな！！」

眩しい笑顔を向け、走り去っていくシャオロンに手を振る。

なんかシャオロンって犬っぽいな…

癒されるわ…

てか、僕って何処行けばいいの？

行き場がわからなかった僕はシャオロンの部屋に立ち尽くしていた。

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