小さな敵【ht】 ページ7
you side
「ミャー」
『誰かぁ！！』
廊下を爆速で駆け抜ける僕と、後ろを同じくらいのスピードで着いてくる黒いなにか。
さっき庭で寝てたらいきなり隣に現れたので逃げると、変な鳴き声をあげながらついてきた、黒い生き物。
丁度曲がり角が見えたので曲がろうとすると、
ht「うわっ！」
というひとらんの声と、何かにぶつかる感触が。
ごめん、と謝ろうとするものの、後ろから黒いやつが触ろうとしてきたので慌ててひとらんに飛び付く。
『ひ、ひひとらん！！助けて！』
ニャーニャーとひとらんの周りをうろうろするそいつは、口から牙を覗かせ、恐ろしい目つきで僕を見ている。
ht「ぐっ！！」
いきなり飛び付いたのに驚いたのか唸るような声をあげていたがそんなものきにしてられない。
ht「A、重い…」
小さな声で呟くように吐き捨てると、ひとらんも黒いやつの存在に気づいたようだ。
ht「あ、猫じゃん。」
目つきの悪い生き物にひとらんが触ろうとする。
きっと今初めて見たばかりだからそいつの恐ろしさがわからないんだろう。
『ひ、ひとらん、ダメ！！ぼ、僕が囮になるから今のうちに逃げて！』
ひとらんの差し出した手を必死で止め、震える足に鞭を打つ。と、
ht「っふ、はは…く、っ！…」
後ろから、もう我慢できない、といったようなひとらんの笑い声が聞こえてきた。
ht「Aっ…その動物、猫って言って別に攻撃してこようとはしてないよ？」
まだ少し笑いながらもその“猫”をさわるひとらん。
ゴロゴロと音がして、気持ち良さそうに猫はひとらんの手にすりよっている。
満足したのか、ひとらんの手から離れた猫は僕のほうに歩いてきた。
『ヒッ！！ひ、ひとらん！』
ht「何にもしないよ。こうやって撫でてあげると喜ぶんだ。」
そう言って撫でるところを見せてくれる。
言われた通りに撫でようとするが、いつ動き出すかと思うとなかなか手を近づけられない。
「ンニャ？」
『やっぱ無理！！』
もう少しというところで、猫が首をかしげたので急いで手を引っ込めてしまった。
ht「ふふ。まあ慣れていけばいいよ。この子、最近ショッピくんが可愛がってる子だから。」
そう言われ、再度猫を観察してみると、黒い猫は目が黄色で、意外と小柄な猫だった。
…まあ、よく見るとかわいいかも。
syp「ピコー？どこっすかー？」
遠くからショッピくんの呼ぶ声がして、猫は一鳴きするとショッピくんのほうへと一目散に駆けていった。
ショッピが飼ってるってことはまた会うかもしれない。
……次は、頑張って撫でてみようかな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らとるだお() - すごい楽しそう…(*⁰▿⁰*) (2022年5月12日 22時) (
レス) @page16 id: f62a5d0896 (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - うさぎ飼いさん» 続き遅くなっていてすみません。喜んでいただきこちらも嬉しい限りです。気長に待っていただけると嬉しいです。 (2021年10月23日 19時) (レス) id: 9985fb30c0 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ飼い - ブラウンさん» コメントしそびれてました！！書いてくださってありがとうございます！！続きが楽しみです！本当にありがとうございました。 (2021年10月23日 18時) (レス) id: c911287e90 (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - うさぎ飼いさん» リクエストありがとうございます！了解しました！ご希望のメンバーなどいましたら追加でコメントください。なければ返信は大丈夫です。一週間以内には出せると思います！ (2021年10月3日 14時) (レス) id: 9985fb30c0 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ飼い - リクエスト失礼します！！メンバーに魔法を披露する話って出来ますか？水とか出したりして「すげー！」みたいな…本編と番外編、どっちも好きなのでリクエストさせていただきました。失礼しました！ (2021年10月3日 14時) (レス) @page13 id: c911287e90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
