31話 ページ32
「オッイ!見せもんじゃねーゾ、どっか行け!」
「なんだテメー、コノヤロー。殺すぞ、ボケエ!!」
……うっわ、絡まれた〜。
「私、ここに呼ばれてるんだけど」
「は?ここは東卍の集会場所だ!誰がテメェなんか呼ぶか!」
話通しとけよー、ドラケン!!アッくんの時もそうだけど、東卍ってそこそこ詰め甘いよな!!
「オマエもしかして、渾名?」
胸倉を掴まれている手を掴もうとすると、誰かに声をかけられる。そちらを向けば、眉の真ん中が剃られている男がいた。
「え、うん、そうだけど……」
にしても、なかなかイケメンだな。
「隊長の客何脅かしてんだよ。つか、女に手出すなやボケ」
彼はそう言うと、胸倉を掴んでいる男に蹴りを入れて私から離させる。男たちは謝りながらどこかへ行った。……まさか、偉いさん??
「ついてこいよ」
「あ、はい。行こ、ヒナ」
「うん」
私はヒナの手首を掴んで自身の方に引き、私の隣を歩かせる。
「あ、オレ三ツ谷な。三ツ谷隆。よろしく」
「花垣A、こっちは親友の橘日向ね。よろしく」
「よろしくお願いします」
「おう、よろしくな」
そうこうしている間に、佐野たちの元に着いた。
「よう、渾名悪ぃな、急に呼び出して」
「……ハッ」
やっば。イケメンすぎて思考飛んでたわ。
「ん?体調悪い?」
「いや、大丈夫」
特攻服……かっこいいな。顔が良ければなんでも似合うとか、それもはや罪じゃね?
「オマエ何親友なんか連れてきたんだよ」
「いやあ、こんなになってるなんて思ってなくて」
誰が想像したよ。周回に呼ばれるとか聞いてねえし。ぶつぶつと言っていると、ドラケンがヒナに謝った。
「あっ、ヒナちゃんこの前はゴメンな。渾名試す為とはいえ脅かして」
「あ……いえ、大丈夫です」
謝るなら私に謝って欲しかった。昭和発言撤回して欲しかった。
「あの、こちらこそこの前はごめんなさい」
ヒナはそう言うと、佐野に謝った。佐野はそれに笑顔で返す。
「オイ!エマ!このコ、渾名の親友だから、しっかり守っとけ」
いきなりドラケンが叫んだ。すると、奥から金髪美女が出てくる。
「りょ〜か〜い」
金髪美女……じゃなかった、エマは私を見ると、驚いた顔をした。そして、少し笑う。
「よっ、演技派美女♡」
「さっきぶり、金髪美女♡」
私らのやり取りを見ると、ドラケンは私にグッと近づいた。
「え、なに」
「オマエ……エマと知り合いなの?」
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作者名:くー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Qoo01411/
作成日時:2022年7月4日 20時