東京卍リベンジャーズ (ページ19)

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18話ページ19

私がナオトから聞いた12年後の東京卍會は、賭博・詐欺・強姦・殺人なんでもアリの極悪集団。本当にこの人があの極悪東卍のアタマなのか？

つか、なんで女に漕がすんだよっ！！

「ねえ、佐野」

「……」

「ねえ、マイキー」

「なに？」

ガキかよ。

「なんで、私の事気に入ったの？まさか、私が美人だから……！？」

「いや、違えけど」

そんなあっさり言わんでも。つか、そろそろ交代しない？古傷が痛む。いや、こじらせてるとかじゃなくてリアルに痛い。

「つか、くっだらねー質問すんなよ」

「いや、話さないならいいけど。気になっただけだし」

「オレ、10コ上の兄貴がいてさ。死んじまったけどネ」

無視して急に話し出した割に内容重すぎん？？しんどいわ。

「無鉄砲なやつでさ、自分より全っ然強ぇやつにも平気で喧嘩挑んじゃうの」

「へえ……超かっこいいじゃん、その人」

私みたい。

「渾名、兄貴に似てる」

「やっぱり？私も思った」

笑いながら言った佐野が、一瞬で笑いを止めた。

「ごめん、やっぱ冗談」

「そんなに？」

ひどっと言いながらチャリを漕いでいると、いきなりストップをかけられ、慌ててブレーキを掛けて片足を地面についてチャリを止める。

佐野はチャリから降りると、土手に腰かけた。

「今って、不良がダセーって言われる時代だろ？兄貴の世代はさ、この辺りもすっげー数の暴走族がいてさ、その辺をチョッカンコール鳴らして走ってた。

みんな肩肘張ってさ、喧嘩ばっかして、でも自分のケツは自分で拭いて、そんな奴らがなんでダセーんだ？」

そりゃ、族の名前だけで威張ってるキヨマサ的な奴らが多いからでしょ。

「だから、オレが不良の時代を創ってやる。オマエもついてこい。オレはオマエが気に入った、花垣A」

……え、マジで気に入られてたんだ。一時の迷いかと思った。

「喧嘩強ぇ奴なんていくらでもいんだよ。でもな、譲れねぇモンの為ならどんな奴にでも楯突ける。オマエみたいな奴はそーいねぇ。考えとけよ、渾名」

「ま、女のオマエ勧誘するのは癪だけどね」

佐野の言葉に、私は少し笑った。

「ここの不良、治安いいのか悪いのか知んないけど、顔は狙われないから大丈夫。つか、怪我でとやかく言うなら、とっくに不良辞めてるよ」

「……そっか」

少し目を細めて私を見、微笑む佐野。……ああ、ギャンかわ。携帯構えなかった私を、誰か褒めて。