EPISODE #8 ページ9
【Aside】
優菜「Aちゃん、入ってもいいかな?」
夜、自分の部屋で荷物をまとめていると、優菜が尋ねてきた。
『ん、いいよ。』
・
優菜「明日からまた居ないのかぁ。寂しくなるね…
どうだった?新しいお客さん。」
『顔に傷がたくさんあって見た目は怖かったけど、
優しそうな人だったよ。』
見て思ったことをそのまま口にする。
優菜「そっか。それじゃあ少しは安心だね。」
『うん。…優菜も明後日から仕事でしょ?
早く休みな。』
優菜「うん。そうする。」
優菜は優しく微笑むと、おやすみと一言残して部屋を出ていった。
『不死川さん、ちゃんとした人だったらいいな…。』
布団に寝転び、枕元の明かりを消してそんなことを願いながら目を瞑れば直ぐに夢の世界に入ることが出来た。
・
夢の中の自分は幸せで、見たことないくらい眩しい笑顔で笑っている。
いいなぁ。羨ましい。
自分に嫉妬してしまうほどだ。
そこはとても暖かくて、何もしなくても生きていける。どれほど幸せなんだろう。
「_____ッけて!」
何か、聞こえる。
誰かの声。
「___すけて…!」
聞いた事のある声。
「__助けて!!!!」
その瞬間、現実に引き戻される。
布団を勢いよくめくりあげ、荒く息をしている
自分の額には薄らと汗が滲んでいた。
『な、何? …夢?』
シン…と静まり返っているので、何か悪い夢でも見たのかと思った。
_しかし、
そう思ったのも一瞬、
ドン!と勢いよく、部屋の襖を叩かれて
思わず肩が跳ねる。
私は枕元のロウソクに火を付け、恐る恐る襖を開いた。
・
『う、うそ…、なん、で……。』
そこには信じ難い光景。
寝る前まで一緒に話していた、あの優菜が、
___血だらけで倒れていた。
『優菜ッ…、優菜…!!!』
優菜「に、げ、て…。おに…が。」
声も出なくなっている優菜は掠れた声でそう訴える。
『優菜ッ!!!! だめ!死んじゃやだぁ!!!!』
優菜「A…。」
私の名前を呼んだかと思えば、優菜は目を閉じた。
『優菜…!! 優菜ッ!!!』
何度も名前を呼んでも、体を揺さぶっても反応ない。
私も馬鹿じゃない。
体が冷たくなり、血色を失った人間がどうなっているのかくらい理解出来る。
『ごめん、ごめん優菜…。守れなかった…。』
優菜の体を1度抱きしめ、私は力ない体を動かし、
他の部屋へと向かった。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時