EPISODE #5 ページ6
【不死川side】
不死川「…チッ。またかァ。」
それは任務から帰ってきたときのことである。
風柱邸の食卓の上に置いてあるのは一枚の紙きれ。
「不死川様へ。
誠にご勝手ながら、雇人の仕事を辞退させていただきます。
今までお世話になりました。」
不死川「ハァー…。」
腰に着いていた刀を抜いて、鬼の返り血で汚れてしまった隊服を脱ぎ捨てる。
女中に逃げられたのは何度目だろうか。
そんなことを考えたが、任務で疲れた脳はすぐに考えることを放棄した。
不死川「ねみィ…。」
自分以外誰もいない屋敷でポツリと呟いた言葉は消え去った。
・
「おーーーーーい!!」
夢でも見ているのだろうか。うるさい男の声が耳に入ってくる。
「おーーーい!!実弥ちゃーーん!」
うるせェ。
ドンドンドン!!
不死川「だああああ!っるせェ!!」
布団から飛び出してイライラ度MAXで扉を開ける。
不死川「なんの用だァ!宇髄!!」
宇髄「なーんだ。起きてんじゃねぇか。不死川。」
そう、そこに立っていたの同じ柱である宇髄だ。
いつものようなジャラジャラした装備品は着けておらず、髪も下ろしている。
不死川「…起こされたんだよォ。誰かさんになァ。」
宇髄「まぁまぁ。そんなにカッカすんなよ。」
昨日は女中に逃げられて、今日は朝早くから叩き起こされてイライラしないわけがない。
不死川「…さっさと要件を言って帰れェ。」
宇髄「つれないねぇ。とりあえずお邪魔させてもらうわ。」
そう言って宇髄は勝手に屋敷に足を踏み入れる。
不死川「おいっ、なに勝手に入ってんだァ!!」
宇髄「おーおー、散らかってんなぁ。」
屋敷の中をじろじろ見てはそう口にした。
宇髄を引きずり出そうかとも思ったが、自分よりもでかいこの大男を動かすのは
手間がかかると判断し、すぐに諦めた。
宇髄「お前、まさかー」
不死川「っるせェ。」
宇髄「もしかして??」
不死川「…………逃げられたァ。」
かなり小さい声で喋ったが宇髄の耳にはしっかり聞こえていたようだ。
ぶはっと宇髄が笑う。
宇髄「ハハハッ!!またかよ!」
不死川「笑うなァ!!!」
宇髄が畳に転がって腹を抱えて笑う。
クソ。さっき意地でも引きずり出しとけばよかった。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時