EPISODE #43 ページ46
【不死川side】
不死川「馬鹿かァ。俺は男だぞォ。」
『いや、です。いっしょに、入る!』
いつもはワガママを言わない夜咲が、む と唇を結んでそう言うから思わず許してしまいそうになった。
不死川「だ、駄目だァ。」
『……さねみ、さんいっつも疲れてるからせなか流したい…。』
シラフじゃ呼ばない俺の名前もさらっと口にした。
不死川「…諦めろォ。」
『……………。』
静かになったかと思って夜咲の顔を覗き込むと
ポロポロと大粒が溢れていた。
思わずギョッとなる。
『うぅ…ヒグッ、グスッ。』
不死川「…よ、夜咲ィ。わかったァ、一緒に入ってやるから泣くなァ。」
『…ほんとうですか??』
自分でもわかる。俺は夜咲の涙に弱い。
普段大人しくしてるからこそ急に出てくる涙に焦ってしまう。
不死川「……先に入ってろォ。」
・
しばらく経って
腰に布を巻いていつもの湯浴み場に入ると夜咲はすでに浴槽に浸かっていた。
平常心…ヘイジョウシン…。
不死川「…入るぞォ。」
夜咲の背中の後ろに入ると真っ先に目に写ったのは綺麗なうなじ。
何も喋らないかと思っていたら急にクルリと振り返ってそのまま抱きついてきた。
不死川「ばっ、おい!!」
『ふふ…。』
お互いに布一枚しか身にまとっていないので密着すると体温が直に伝わってくる。
『しなずがわさん、かおまっかですよ〜!』
誰のせいだと思っとんだァ!と言いそうになったが今の状況でそんなことを言う余裕はない。
『お背中、夜咲がお流しいたします…!』
ニマニマと笑っている夜咲。なんだかんだ幸せそうだ。
しかし酔っていても流石は女中。
優しい手つきで頭を洗ってくれる。
『懐かしい…』
ポツリと呟いたその言葉。
昔の仕事仲間のことでも思い出したのだろう。
不死川「……A、」
滅多に呼ばない名前で呼んでやった。
「なんでしょう!」とアルコールの回った赤い顔で反応すると思ったのにそれはなかった。
不死川「……夜咲ィ?」
静か過ぎる。
バッと後ろを振り向けば夜咲は倒れていた。
不死川「は!? おい夜咲ィ!!」
_______
翌日
『ご、ごめんなさい。全く覚えてないです…。』
不死川「焼酎とワイン一杯で酔った挙句、俺と湯浴みをすると言い張り、風呂では逆上せ倒れて、覚えてないとはいい度胸じゃねぇかァ。」
『ほんっとにすみませんでした!!』
この時から夜咲飲酒禁止令が出されました。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時