EPISODE #38 ページ41
【不死川side】
夜咲を抱き抱れば眉を下げて顔を真っ赤にして苦しそうに息をしている。
まさかと思い、前髪の下に手を入れれば額はすごく熱かった。
不死川「おい、夜咲、わかるか。」
『しなずがわさん…。』
そして夜咲は俺の顔をじっと見つめたかと思うと
ポロポロと涙を流した。
『ごめんなさい…コホッ。ご飯、まだ作ってなくて…』
夜咲はこういう所がある。
いつも自分より人を優先するのだ。
不死川「心配すんなァ。…持ちあげるぞ。」
頭を撫でてやると「はぃ…」と小さく呟いて俺の胸元の隊服をキュと掴んだ。
びっくりするほど軽いその体を抱いて、布団の敷かれた部屋に行く。
・
『う゛ぅ、コホッ。』
余程きついのか、額に薄らと汗を浮かべうなされている。
不死川「夜咲ィ。胡蝶んとこから薬もらってくる。」
『や、だっ…。いかないで…グスッ。』
立ち上がろうとしたらクイッと力なく羽織の袖を引っ張られた。
うるうると涙目で見上げてきてサクッと心に何かが刺さる。
しょうがない、鎹鴉に頼むしかないか。
・
額の手ぬぐいを変えてやることしか出来ることがないのが不甲斐ない。
しばらくしてだいぶ落ち着いた夜咲はそのまま寝てしまった。
赤く火照った顔はいつもより色っぽく見え…
不死川「…何考えとんだ俺ァ。」
はぁ…。
『んぅ……、不死川さん…』
不死川「まだきちィか?」
ふるふると頭を振って「だいぶよくなりました。」と
小さな口を動かす。
『…手……、』
不死川「手?」
布団から出された夜咲の手。あぁ、そういうことか。
俺の手とは違い、水仕事をしているにも関わらずツルツルしたその手を優しく包み込む。
『ふふ…。あんしんします。』
そういうと夜咲はまた眠りに入った。
俺は夜咲の顔をじっと見る。
そして、握った夜咲の手の甲に軽く口付けた。
不死川「…………。」
____
『ご迷惑おかけしてすみませんでした!』
深々と頭を下げて叫ぶ夜咲。
『私の体調管理がなってないだけに不死川さんに看病までさせてしまって…』
不死川「お前もたまには休むっつーことを覚えろォ。
完璧にしてなくたって俺は怒ったりしねぇよ。
それより体調は」
『お陰様ですっかり良くなりました!ホントにすみませんでした…。
お詫びに今日はおはぎ作りますね。』
不死川「…とびっきりうめぇやつ。」
『はい!』
たまに風邪をひくのも悪くないなと思ったのは夜咲には内緒だ。
1942人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時