EPISODE #35 ページ37
【不死川side】
不死川「んでお前が夜咲抱えてんだァ!」
意味のわからない状況に混乱する。
煉獄でも、胡蝶でもない、冨岡だ。
冨岡「今日は胡蝶と任務場所が近かった。
(夜咲がいなくなっていることを)それで、聞いた。」
相変わらず言葉足らずな奴だ。
冨岡「鬼に襲われそうになっていた。今は疲れて眠っている。
……一人で、泣いていたぞ。」
夜咲を冨岡から降ろして横抱きする。
長い睫毛を伏せて小さな寝息を立てて寝ているその姿は相も変わらず綺麗だった。
足を見てみれば綺麗な足は泥と少しの血で汚れている。
どこまで行ってんだァ……。
とりあえず、こいつがいなかったら夜咲は助かっていなかったかも知んねェ。
不死川「…かったァ。」
冨岡「?」
不死川「助かったっつてんだァ!1回で聞き取れェ!」
そう怒鳴れば一瞬驚いた顔をした冨岡だったが
普段は絶対に上がらない口角を少し上げ、
冨岡「ムフフ。」
鮭大根を食った時にしか笑わないような冨岡が笑った。
なんか、なんつーか、
気持ち悪ぃ。
そのまま玄関の扉を閉めた。
夜咲を運んでくれたのは有難いがあの笑顔を見た瞬間扉を閉めるべきだと俺の本能が判断した。
・
俺の部屋の布団に寝かせ、足を濡れた手ぬぐいで綺麗に拭いていく。
拭き終わっても夜咲が起きる気配はない。
不死川「……。」
夜咲が寝ている布団の横に寝転び、透き通るような白い頬を撫でる。
不死川「…A……。」
『んぅ………しなずがわさん…?』
不死川「……夜ざ…」
夜咲、そう言い終わる前に胸に飛び込んできた。
『ごめんなさい、不死川さん。勝手に出ていったりしちゃって…。』
不死川「…俺こそ悪かったァ。」
俺よりもはるかに小さいその体をキュッと抱きしめ返す。
『でも私、なんで不死川さんがあんなに怒っていたのか…。』
不死川「……煉獄。」
『…煉獄、さんですか?』
不死川「…アイツと、接吻してただろォ。」
『…………してないですよ?』
どの場面か思い出したのか、ふふふと夜咲は笑う。
『あれは、その…私が不死川さんの邪魔になっているかもって思って煉獄さんに相談したんです…。
それで、不死川さんが接吻に見えたのはきっと煉獄さんが私の耳元で応援の言葉をくれた時だと思います。』
…そういうことか。
あの時、枝葉でよく見えなかったが接吻してたわけではなかったのか。
不死川「…はぁ、」
…よかった。
口には出さないがそう思った。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時