EPISODE #34 ページ36
【Aside】
トコトコと歩いていると不意に腕を掴まれた。
『なっ…、』
「お、可愛い子がいるじゃねぇか!」
不死川さんとあまり歳の変わらない人達が絡んできた。
『離してください!』
「あ、ちょ…」
無理やり腕を振り切って更に奥に進んでいけば街の
端っこ、_森の入り口にたどり着いた。
・
『…はぁ。』
森に入るのは流石に危ないので近くに腰掛けた。
正直言うと帰りたくてしょうがない。
今すぐにでも不死川さんの顔が見たい。
ずっと走っていたからか、うとうとと眠気が襲ってきた。
・
コクリコクリと船を漕ぎ始めたところで後ろから肩を掴まれ、思わずビクリと体が跳ねる。
『しつこいですっ!離してくださ……』
「…ジュる…。」
バッと後ろを振り向けばそこには先程の連中ではなくて角を生やし、涎を滴らせている何かがいた。
鬼__。
鬼を見るのは人生2度目。
1度目は不死川さんが助けてくれた。
しかし今は違う。ここは屋敷から遠く離れた街の端っこだ。しかも今日不死川さんは非番。
わかってる。不死川さんが来ないのはわかってる。
でも、どこかで不死川さんが助けに来てくれるんじゃないかって思ってる自分がいて…。
会いたい。不死川さん。
ごめんなさい、勝手に仕事放棄して…。
…会いたい。会いたいです不死川さん。
助けて、
『助けてくださいっ!!不死川さんっ!!!』
目をぎゅっと瞑り、力任せに叫ぶ。
ザシュッ、ボトッ。
聞いたことのある効果音。
涙で潤んだ目をゆっくり開ければ足袋が目に入った。
『不死川さ……』
「不死川じゃなくてすまない。」
『え…ぁ、と、冨岡さん…?』
冨岡「胡蝶から話は聞いている。」
『…とみ゛おかさぁん゛!!怖かったです…
わだし、死ぬかと……』
冨岡「もう大丈夫だ。屋敷まで送る、乗れ。」
そう言って私の前に屈む冨岡さん。
『…ヒグッ、ぐす、…、でも冨岡、さんにんむは…』
冨岡「任務なら終わった。あとは帰るだけだ。」
『でも、私歩けま、す。』
冨岡「その足では無理だろう。」
『あ、……。』
言われて気づいたが足はすでに泥にまみれて所々血が出ている。
裸足で走ったから…。
『すみま、せん……。』
冨岡さんの広い背中に乗れば鍛えられてしっかりした腕が膝の裏にまわった。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時