EPISODE #32 ページ34
【Aside】
何が起きているのか理解できない。
あの後、煉獄さんに屋敷まで送ってもらいそこで少し話した。
その時に煉獄さんに
「自信を持つんだ。不死川ならちゃんと話を聞いてくれるさ。」
と耳もとで囁かれ、自分に自信が持てた時だった。
どこからか不死川さんが出てきて、腕を掴まれてそのまま屋敷の中に引きずり込まれてしまった。
壁に押し付けられて、手で口を塞がれる。
不死川さん、怒ってる…?
ここに来て一度も不死川さんが私に怒ったことはなかった。
怖い。こんな不死川さんは見たことがない。
不死川「…じゃれ合うなら他所でやれェ。」
じゃれ合う?なんのことだ。
煉獄さんと団子を食べたことを怒っているのか?
不死川さんはそれだけ言うとハァとため息をついて自室へと足を向けた。
一人残された私はそのまま床にぺたりと座り込む。
『やっぱり不死川さんを疲れさせているのも、怒らせているのも私だ……。』
ごめんなさい煉獄さん。
せっかく応援してくれたのに。
でも、本人に直接聞かなくてもわかりました…。
・
そこからの行動は早かった。
これ以上負担を大きくはできない…。
不死川さんから離れるのだ。
荷物も何も持たず屋敷を飛び出した。
・
行く宛てなんて考えてない。
とりあえず走る。
少しでも不死川さんの役に立ててると思ってた私が馬鹿だった。
走るには下駄はとても邪魔なので人目も気にせず脱げば、それを手に持つ。
・
『はぁ…、結構遠くまで来ちゃった…』
気づけば暗くなっていて、
どこの何という街かもわからないガヤガヤした所にたどり着いた。
持っている物はお昼に買った小豆の袋とその時のお釣りのみ。
『…うどんでも食べよ…。』
・
屋台に出ているうどんを食べてお腹がいっぱいになった所で再び歩き出す。
しかし人が多い…。
いつも買い物で行く街も人が多いがここまでではない。
『…気分悪くなってきちゃった…。』
人酔い、というものだ。
気分を落ち着かせるために、できるだけ人の少ない所を目指す。
・
人混みをかき分けてやっと人気の少ない所に出ることができた。
『……はぁ。』
一人ぼっちというのはこんなに寂しいものだったか。
こんなにも、心が苦しくなるものだったか。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時