EPISODE #29 ページ31
【Aside】
『うぅ…、胡蝶さん……。』
「呼びました??」
どこからともなく優しい、ふわりとした声が聞こえてきた。
反射的にバッと顔をあげるとそこにはニコニコと笑っている胡蝶さん。
『胡蝶さんっ!!不死川さんが…!!』
胡蝶「大丈夫ですよ。落ち着いてください。」
落ち着いてなんていられるわけがない。
目の前で大切な人が倒れているのだ。
胡蝶「不死川さん、少しやりすぎです。
お腹を切られたくらいで死んでしまう貴方ではないでしょう?」
『…え?』
不死川「チッ。
…夜咲の手当てがどれくらいできるか知りたいっつたのは胡蝶だろォ。」
胡蝶「確かに言いましたがまさか気絶するフリまでするとは…。Aさんすごく焦ってますよ?
とにかく、傷口を見せてください。」
何がどうなったのか理解できないまま胡蝶さんは不死川さんの包帯を解いていく。
胡蝶「…すごいですね。何も教えてないのにしっかりと縫合できてます。
これなら不死川さんがよっぽどの怪我をしてこない限り、Aさんの手当てで大丈夫そうですね。」
あぁ。そういう事か。そういう事なのかぁ…。
胡蝶さんは私がどんな状況でいかに手当が出来るか試したのだ。
それじゃあ、不死川さんの怪我は大したものじゃなかったんだ…。
不死川「おい、夜ざ…」
胡蝶「あらあら…」
地面に座ったまま、上半身だけを起こしている不死川さんに飛びつくようにして抱きつく。
『よかったぁ…!よかった……。』
不死川「……悪かったなァ。」
背中に軽く添えられた手と
頭を撫でてくれた不死川さんの手は暖かくて、生きていることがよくわかる。
また、目の前で大切な人を失うかと思った。
また、何も出来ないまま人の命がただ尽きていくのを見ていることしかできないかと思った。
『不死川さん…』
不死川「なんだァ?」
『不死川さんは私の主です。
不死川さんがいなくなっちゃうと私は生きて行けません。』
不死川「………心配すんなァ。最後の最後まで俺が雇ってやるよ。」
『はい…。
もう二度とこんな真似しないでくださいね…。』
不死川「…悪かったァ。」
胡蝶「私がいるの、忘れてないですか?
いい雰囲気の所悪いですけど、不死川さんの傷口の消毒を行うので蝶屋敷の方へお願いします。」
___
この日を境に、私は胡蝶さんからある程度の応急処置の仕方を教えてもらいました。
この応急処置を使わない日々が続いてほしいと思う今日この頃です__。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時