風柱邸のお手伝いさん。

EPISODE #28 ページ30

【Aside】


嗚咽を無理やり止め、胡蝶さんから貰った救急セットを部屋の中に取りに行く。



・


『胡蝶さんの所に行って呼んできてほしいっ！！
お願い！！』



「カァ！！！」



鎹鴉にそれだけ伝えて、うつ伏せに倒れている不死川さんを仰向けにひっくり返す。



『不死川さんっ！不死川さん！！』



横腹の部分がザックリ切れていて隊服を越して羽織まで血で赤くなっている。




不死川「…夜咲ィ…。」



『不死川さんっ！！！』



いつものような不死川さんとは全く違って、
力なく横たわっている。



『い、今鎹鴉が胡蝶さんを…！！！』



不死川「ッ！！」



泥のついた傷口に水をかけると痛みを堪えるように不死川さんが食いしばる。



『次、次は…！！』



こういう時、胡蝶さんはどうしてた…。



蝶屋敷に行った時に炭治郎くんがパックリと切れた傷口を縫われていたのを思い出す。



『…縫う…』



救急箱に入っている針と糸を取り出す。



用意はできたものの、手が震える。



落ち着け、落ち着け。



また目の前で大切な人を失うのか。しっかりしろ。
夜咲A。



『不死川さん、ぬ、縫いますね』



糸を通した針をプツ…と刺して縫っていく。




不死川「…ｸﾞｯ！…ア゛ぁ。」



ごめんなさい。不死川さん。



・



『よ、よし…』



パチンと糸を切って、包帯を巻く。



不死川「フゥ…、ﾌｩー。」



不死川さんは息を荒くして苦しそうにしている。



他に何か出来ることは…、




不死川「……。」




『え、不死川さん？』




しばらくすると不死川さんが目を瞑ったまま何も言わなくなった。



『不死川さんっ！不死川さん！』




呼びかけても何も応答がない。




『不死川、さん…、起きてくださいよ…。』



自分の不甲斐なさに涙しか出てこない。

あの時も、そうだった＿＿＿。




＿＿＿＿＿



更新遅くなってしまって申しわけありません！！

高校の合格発表だったんですが


無事合格してました！！



これで心置き無く更新できます(*´-`*)

これからもよろしくお願いします！

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