EPISODE #27 ページ29
【Aside】
それから三日が経った日の夜。
調理場で料理をしていた私。
不死川「夜咲、悪ぃ。任務が入った。」
屋敷の中をドタバタと駆け回って不死川さんはそれだけ伝えると私の顔も見ずに出て行ってしまった。
『あ、わかりました!お気をつけて!
って、もう聞こえないか。』
今日は非番だったはずの不死川さん。
鬼殺隊という仕事はとても大変でいきなり任務が入ってしまうのもしょうがない。
しょうがないけど…。
『二人分も食べれないや。明日の朝ごはんにまわそう…。』
不死川さんが任務になった時は、一人でご飯を食べるし、湯浴みを済ませて部屋に戻ってももちろん一人だ。
そんなことはわかっているのに、
今日の一人で食べるご飯はいつも以上に味気がなく感じた。
『あれ、ちゃんと味見したのに…。』
・
湯浴みを済ませ、自分の部屋に入るといつものように不死川さんから貰った椿油を髪に染み込ませる。
これは、ある日突然不死川さんが持って帰ってきたもので、
綺麗な髪なのに手入れしないのは勿体ない と言ったのは未だに覚えている。
髪が乾いたら布団に入る。
寝れないんじゃないかと思ったか案外早く眠りにつくことができた。
何か悪い夢を見そうだとも思ったがそれもなかった。
・
四時頃。
扉を叩かれる音で目が覚める。
玄関からだ。
『……っ!』
思い出したくない、あの日の記憶。
仲の良かった仲間が血だらけになりながら部屋の襖を叩いていたこと。
こわい、コワイ、怖い。
布団から出れない。
行かなくちゃ行けない気がするのに体が動いてくれない。
すると何かによって布団が少し動いた。
「かァ!夜咲ィ!起キロォ!起キロォ!」
『し、不死川さんの
「風柱ガ怪我ヲ負ッタァ!直チニ処置ヲォ!」
不死川さんが怪我…?
さっきの恐怖心はどこへやら。
布団から飛び出して玄関へ一直線。
扉を開けるとそこには倒れている不死川さん。
『し、不死川、さん…!!』
過去の記憶がフラッシュバックする。
『はぁ…!ハァ…。ヒュ!…カハッ。ゴホッ。』
過呼吸を起こしてしまう。
どうしよう、手が震える…。
どうしよう、どうしよう、蝶屋敷までは距離がある。
私じゃ不死川さんを運べない…!
涙が止まらない。
痛いのは、辛いのは不死川さんなのに_。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時