EPISODE #2 ページ3
【Aside】
ガラガラ
『ただいま戻りました。』
屋敷の玄関を開けて、そう伝えれば
中から同い年くらいの女の子が出てきた。
「Aちゃん!!!」
『ただいま。優菜。』
優菜「Aちゃん大丈夫!?ほっぺた赤いよ?」
『大丈夫。なんでもないよ。』
この子は優菜。私と同じ拾い子で、幼い時からこの屋敷に住んでいる。
優菜「…Aちゃん、向こうで昨夜さんが待ってるよ…。」
優菜の表情が暗くなる。
『心配しないで。私は大丈夫だよ。
この荷物、私の部屋に置いといてくれる?』
優菜「わ、わかった。」
持っていた荷物を優菜に預けて奥にある昨夜さんの部屋へと向かう。
・
『…昨夜さん。夜咲です。ただいま戻りました。』
昨夜「入れ。」
襖を開ければ、そこには偉そうに座っている五十代ほどの男。
この人は居村昨夜。小さい頃に親に捨てられてしまった私を拾ってくれた人だ。
そう聞けばいい人だと誰もが思うだろう。
しかし、実際は違う。
性格も何もかも腐ったただのジジイだ。
私を含め、他にも拾われた子達を女中、つまり、お手伝いさんとして働かせては金を儲けている。
ここにいる屋敷の子達が働いて貯めたお金なのに、
私たちの手には一切回ってこない。
昨夜「お前、また仕事を放棄したのか。」
『……。』
昨夜「これで何度目だ。皆、顔がいいからと言ってお前を雇うが、必ずしも客から批判がはいるじゃないか!」
『…すみません。』
額を畳に付ける。気持ち?そんなの込めるわけが無い。 見た目だけの謝罪だ。
だって私は何も悪いことなんてしていない。
自分のしたいことをしているだけだ。
こんなやつの言いなりになんてなりたくない。
一人で自由に生きていきたい。
私を雇ってくる客は身体目当てだ。
高確率で客が手を出してくる。
仕事を放棄してはいけないと言うことくらいわかってる。けれど、自分の身を守るためにも方法はそれしかないのだ。
その度に客から追い出される。
そしてこの男に説教される。その繰り返しだ。
逃げ出そうと何度も考えたが、以前ついに我慢出来ずに飛び出したこの屋敷の少女があっけなく連れ戻されてしまった。
もちろん私だって何度も逃げ出した。
でもやっぱりそう簡単には行かなかった。
どれだけ遠くに逃げても捕まってしまうのだ。
そう、
私たちは鳥かごに閉じ込められた醜い鳥__。
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こんぺいとー。(プロフ) - 蒼井とーるさん» とーるさん初めまして!コメントありがとうございます!可愛い不死川さんを提供できてよかったです( *˙˙*)続きも楽しんでください!! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる - はじめまして!蒼井とーるです。とても楽しく読ませていただいてます!不死川さんが可愛い…(´・ω・`) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - しおりさん» しおりさんお久しぶりです!!今回も読んでくださりありがとうございます(*´-`*)更新頑張ります! (2020年5月2日 10時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
しおり - お久しぶりです!!やっぱりこんぺいとー。さんがつくっている作品は面白いですね!!これからもがんばってください!!! (2020年5月2日 7時) (レス) id: 46ffa7468c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - のんきち。さん» あああぁぁ!嬉しいです!!ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月9日 9時) (レス) id: b53fca9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2020年2月14日 19時