風柱邸のお手伝いさん。

EPISODE #18 ページ19

【Aside】



先に進む不死川さんに連れて入ったのはちいさな部屋。



「あらあら、こんにちは。不死川さん」




不死川「すまねェなァ。胡蝶。」




不死川さんと同じような制服みたいなものに身を包み、蝶のような羽織と蝶のような髪飾りを身につけた小柄な女性はどうやら胡蝶さんと言うらしい。




胡蝶「そちらが例の女中さんですか？」




不死川「あァ。」




『ど、どうも。夜咲Aと申します。』



胡蝶「こんにちは。胡蝶しのぶといいます。
仲良くしましょうね。」



急に私の話しになったので慌てて自己紹介すると、
胡蝶さんは「緊張しなくても大丈夫ですよ」と優しく笑ってくれた。




綺麗な人だ…。




胡蝶「宇髄さんから何となくですがお話を伺いました。診察するので不死川さんは外でお待ちくださいね。」




不死川「頼んだ。」




不死川さんが部屋を出ていくとさっそく診察が始まった。




胡蝶「傷が多いですね…。古いのから新しいのまで。」




『そこの、腕と頭と頬は最近の傷ですね…。』




胡蝶「傷跡になるといけませんからね。
せっかくの綺麗なお顔が台無しになっちゃいますよ？

薬を出しておきましょう。
必ず寝る前に塗ってから寝てくださいね。」




それと、と言って胡蝶さんが出したのは包帯だ。
包帯をどうするのかと見ていたら胡蝶さんは私の手にそれを置いた。




胡蝶「これはAさんと不死川さんの包帯です。」



『不死川さん、ですか？』




胡蝶「はい。Aさんは傷口が開いて出血した時に使用してください。

不死川さんはよく怪我をして帰ってくると思うのでそのときはAさんがこれを巻いてあげてくださいね。


さて、診察は以上です。
他にどこか気になる所はありませんか？｣




『はい。特には…』




胡蝶「まだ完璧に治りきっていないので定期的にここに来てくださいね。」




『はい、わかりました。』




診察室を出ると不死川さんは壁になりかかって目を瞑っていた。




疲れてるのかな…。




屋敷もかなり散らかってたし…。




私に気づいて目を開けた不死川さんは
「終わったなら帰るぞォ」と言ってまた早足で歩き始めた。




・


不死川さんといい、胡蝶さんといい、やっぱり
何か鬼と関係しているのだろうか。



帰り道、それが気になるばかりだった。

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