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【Aside】


投げ出された容器はそのまま宙に舞う。

しかも、蓋がされてない状態で。


赤い液が容器から飛び出て、私の体が床に倒れる前に床にパタタッと落ちて水溜りを作っていく。


そして、



ベチャッ



そのままうつ伏せの状態で零れた液の上に倒れ込んでしまった。



『ど、どーしよう!!』



急いで液が入っていた容器を拾ったが、中身は空っぽになってしまっていた。


自分の着ていた真っ白なTシャツのちょうどお腹の部分が真っ赤に染まっているが、それどころじゃない。



宇髄さんの大事なメイク道具の一種をダメにしてしまった。


とりあえず、周りに散らばってしまった道具を回収する。


と、そこに


「ただいまー」という聞き慣れた声が届く。



やばいやばい。絶対に怒られてしまう。と罪悪感が襲ってきて視界が歪んでくる。



そしてついに、ガチャリとリビングの扉が開いた。




【宇髄side】

宇髄「よし、んなもんか。」



ありがとうございましたー。という定員の声をあとに家への帰り道を辿る。



「ただいまー」と声をかけるが返事はない。



よっぽど掃除に集中しているのか…?



リビングに繋がる扉を開いたら
Aがこちらに背を向けて床にペタリと座り込んでいた。



宇髄「A…?」




名前を呼べば、Aがゆっくりと振り返る。


その光景を見て心臓が止まりかけた。

こっちを向いたAは涙を流している。
そして、
真っ白なTシャツはお腹の部分が真っ赤に染まっていた。




宇髄「Aッ!!!」



『うずいさ…っ!』



あの日の記憶がフラッシュバックして、持っていた荷物をその場に落とし、Aを強く抱き締める。



なぜこんなことになったのかなど考える余裕なんて全くない。



宇髄「き、救急車…!」



『宇髄さん、ちが…、私は大丈夫です…!』



その状態とは裏腹にハッキリとしたAの声が下から聞こえてくる。




宇髄「……は…」



『ごめんなさい、宇髄さんのメイク道具を…』



宇髄「…その腹の赤いのは?」



『宇髄さんの赤紅の液です。つまづいて零した液の上に倒れ込んじゃったんです……。』




ごめんなさい…と泣きながら胸に顔を埋めてくる。




宇髄「……はぁ〜〜。よかった……。」




やっと理解でき、ドッと安心感が溢れてくる。



宇髄「…メイク道具のことは大丈夫だ。
Aが無事ならそれでいい…。」




『…はい。ごめんなさい…。』







その日を境に宇髄はより一層Aを大切にしようと決めたのであった___。

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ねあ - 神 (2021年12月3日 20時) (レス) @page50 id: 614308e5b4 (このIDを非表示/違反報告)
人のようなナニカ - ああぁぁぁ最高でした!!すごく面白かったし、めっちゃ泣いたしで…素敵な作品に会えてめちゃくちゃ幸せです!!!本当に本当にありがとうございました!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page50 id: 4b8facd16d (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - fruitさん» ありがとうございます!! (2021年9月13日 0時) (レス) id: c1a765941b (このIDを非表示/違反報告)
fruit - 面白かったです! (2021年8月30日 17時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - かりりさん» 良かったです(*´˘`*) (2021年2月26日 0時) (レス) id: c1a765941b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2019年12月29日 1時

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