EPISODE 74* ページ33
【Aside】
(あともうちょっと……)
Aは山頂へと道のりを進んでいく。
『見え、た…!』
少し先には木がなく、拓けた場所がある。
あと少し……。
・
『つい、た!!』
大して大きくもない山なのにダッシュしたせいで
もうヘトヘト。
しかしまだ目的は達成していない。
Aは自分の墓石がある方へと向かった。
・
『……!!』
そこには銀色の髪が輝く背の高い男の人が立っていた。宇髄だとすぐに分かったが、いつもの白衣は着ていない。
『宇髄、先生……?』
声を発せれば後ろを向いていた宇髄はこちらを振り向き、ニコッと笑った。
宇髄「来たか!」
Aはゆっくりと一歩ずつ、確実に宇髄の方へと近ずく。
そして、自分の墓石を前にして宇髄の隣に立つ。
『あの…。ありがとうございました。
冨岡先生から聞きました。証拠探してくれたって…』
宇髄「あぁ。気にすんな。竈門達も手伝ったぞ。
学校に行ったら派手に礼を言ってやれ。」
『はい。』
…。
二人の間に沈黙が流れる。
『あ、あの…、宇髄先生…。』
宇髄「なんだ?」
謝らなければ。ずっと避けていたこと。
そして、伝えなければ。
宇髄が好きだということ。チャンスは今しかない。
『その……。ずっと避けていてごめんなさい。
ずっと謝ろうと思ってたけどなかなか言い出せなくて…。
そしたら停学になっちゃって…。』
宇髄「んなの気にしてねぇよ。」
『その…、それと……。』
宇髄「ん?」
(言え!頑張れA!
あの時はスラッと言えただろ!いや、あれは死にかけてたから…。
あぁ!すぐそこまで出てきてるのに!口に出せない…、)
『あの…。その…』
なかなか言えなくて顔に熱が集まるのがわかる。
その熱い頬を包まれるひんやりとした感じ。
『え、』
下を向いてモジモジしていたAの顔は宇髄の両手に寄って上げられる。
目の前には綺麗な顔立ちをした宇髄。
宇髄「じゃあ、先に俺が思ってること言う。」
『は、はい。』
(宇髄さん、真剣だ。)
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彩(プロフ) - とてもおもしろかったです!! (2021年1月11日 18時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - とても面白いです!!で,すいません、私の理解力がないだけなんですが,足立って誰ですか?この後にその話が出ていたらすいません、どうしても気になってしまいましてこれからも頑張ってください!! (2021年1月11日 17時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - りなおさん» りなおさんこんにちは!コメントありがとうございます!感動して頂けたみたいで良かったです(*´˘`*)短編集の方もよろしくお願いします!! (2020年9月7日 8時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
りなお(プロフ) - 一気に読ませていただきました!ラストは私まで涙が溢れて止まりませんでした(TT)素敵な作品をありがとうございます!短編の方はこれから読ませていただきます!楽しみです! (2020年9月7日 3時) (レス) id: 712037cba2 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - Miraiさん» ホントですか!?よかったです!! (2020年2月11日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2019年12月14日 2時