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EPISODE 72* ページ31

【Aside】






『冨岡先生ごめんなさい!
私行ってきます!』






冨岡「あ、おい…!」







『鍵はそこのカゴの中に入ってます!
閉めたらポストの中に入れておいてください!!
ごめんなさい!!』








それだけ伝えて
冨岡を放ったらかしてAは家を飛び出る。











Aはバス停まで走る。







Aが冨岡から伝えられた宇髄からの伝言の内容、それは








''今日の夕方5時に白椿山(しらつばきやま)の山頂で待ってる''









…そう白椿山というのはAが眠っていた所。
Aの墓石がある所だ。






冬になると椿の花が咲くのはむかしと変わっていないようだ。



その椿の花が雪によって白くなることからこの名前が付けられた。






(なんで…、なんで宇髄さんが白椿山に…?)







秋から冬に入る境目。暗くなるにつれて空気は冷たくなる。







薄着一枚で家を飛び出したAは寒さなんか忘れるほどに全力でダッシュした。












バスに乗れば暖かい空気が冷えた頬を温めていく。



バスに揺られる間も落ち着かなくてソワソワしてしまう。




乗ってから数分経った頃。






「白椿山前〜、白椿山前〜。降りられる方はボタンを押してください。」







ボタンを押せば赤く光って降りることを知らせてくれる。






ゆっくりとバスは停車する。

降りたのはAだけ。…それもそうだ。こんな時間から小さいとは言えど、山を登る人はいないだろう。






降りればバスはすぐに発車した。











「入口」と書かれた看板の下には
「この山の山頂には雪の神様が眠っています。」とか書かれてある。






以前来た時に自分のことだろうかなんて思ったりもした。






しかし今日は看板も見らず、そのままバスを降りた勢いで山に入っていった。






『…はぁっ。…はぁ。』






ずっと走っているのだ。そろそろ息も切れてきた。







山を全力で登っていると、いつかの宇髄のスパルタ訓練を思い出して少し頬が緩む。







宇髄がこの山に呼び出したのは、ただの偶然か。
それとも、記憶が戻ったのか。






どうか後者であってほしいと願うAは必死に足を動かし続ける。

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(プロフ) - とてもおもしろかったです!! (2021年1月11日 18時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです!!で,すいません、私の理解力がないだけなんですが,足立って誰ですか?この後にその話が出ていたらすいません、どうしても気になってしまいましてこれからも頑張ってください!! (2021年1月11日 17時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - りなおさん» りなおさんこんにちは!コメントありがとうございます!感動して頂けたみたいで良かったです(*´˘`*)短編集の方もよろしくお願いします!! (2020年9月7日 8時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
りなお(プロフ) - 一気に読ませていただきました!ラストは私まで涙が溢れて止まりませんでした(TT)素敵な作品をありがとうございます!短編の方はこれから読ませていただきます!楽しみです! (2020年9月7日 3時) (レス) id: 712037cba2 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - Miraiさん» ホントですか!?よかったです!! (2020年2月11日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2019年12月14日 2時

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