EPISODE 40* ページ44
【宇髄side】
結局、美術室を飛び出して雪那を追いかけたが、逃げ足が速くて追いつけなかった。
・
準備室に戻ると、傘間はいなくなっていた。
描いている途中のキャンバスの前にある椅子に座る。
宇髄「はぁー。」
今から絵を描く気にもなれなくて、宇髄は横にある教師用の机に向かう。
一番上の引き出しを開けて、あるものを取り出す。
この部屋には月の光が差し込んでいて、
その手に持っているものをかざせばキラリと光沢を出して輝く。
シルバーのピアスだ。
『これ、好きな人とお揃いなんです。』
以前、ここで泣いていた雪那のセリフを思い出す。
宇髄「このピアスとなんか関係あんのか?」
宇髄はこのピアスをこの学園に来る前から持っていた。
捨てようと何度も思ったが、なぜか捨てれずにずっと持っている。
付けようとも思えなくて、引き出しにしまっていた。
宇髄「なんでこんなに気になんだよ…。」
どうでもいいと思いたいのになぜか雪那のことが頭から離れない。
その時、頭に激痛が走った。
宇髄「ッ…」
痛みと同時によぎったのはいつかわからない光景。
雪那Aとそっくりな少女が、雪の降る街で美しく舞いながら刀を振っていた。
宇髄「…なんだ?今の…」
ふと、気づいたときには宇髄はキャンバスに向かって鉛筆を走らせていた。
描かなければならないと思った。何故かはわからない。
一瞬の光景を思い出しながらどんどん鉛筆を動かす。
宇髄(ちげェ。もっと派手に美しかった。)
いつもはスルスルと描けるのに、今日は全く納得いかない。
何度も消しては描き、消しては描きを繰り返す。
・
何時間か経って、やっと完成した。
誰が見ても「美しい。」と口にするだろう。
しかし、宇髄はその絵を破った。
宇髄「違う。こんなのじゃなかった…。」
もう一度同じ光景を見たいと思うが、痛みは来ない。
宇髄「…明日、材料買いに行くか…。」
宇髄はどうしても見た少女を描き出したかった。
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こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ドタバタ編集したのでもしかしたらまだ名前がそのままになっている所があるかもしれません(汗)その時は言ってください!直ぐになおします! (2020年2月8日 20時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» 名前変更しました!本当に申し訳なかったです...!どうか最後まで読んでもらえると嬉しいです。 (2020年2月8日 20時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
名前変えたい涙 - こんぺいとー。さん» なんかすみません…私1人のためにそこまでしなくても平気ですよ…!! (2020年2月8日 18時) (レス) id: 6fb7d582a8 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ぱっと思いついた名前を付けました。不愉快な気持ちにさせてしまい、ホントに申し訳ないです…。足立の名前を変更するのでどうか読んで欲しいです。編集が終わるまで少し時間がかかるかもしれませんがそれまで待って頂けますでしょうか? (2020年2月8日 12時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ホントに申し訳ないです!!!ごめんなさい!! (2020年2月8日 12時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2019年11月6日 18時