EPISODE 35* ページ39
【Aside】
傘間はキャンバスに向かっている宇髄の肩を掴んで、自分と向き合うような体制をとると
そのまま顔を近づけた。
そう、
宇髄にキスをしたのだ。
ちゅ。
と静かなこの空気の中に小さなリップ音が響く。
(え…？)
見間違いかと思った。けど、見間違いなんかじゃなかった。
頬でも、額でもなかった。横から見ていたのだ。
傘間が宇髄とキスしたのは完璧に口だった。
宇髄「おいっ……」
ゴトっ
(や、やばっ…)
あまりの出来事にAは持っていた器具を落としてしまった。
宇髄「誰かいるのか？」
宇髄の足音が近付いてきている。
Aは慌ててその場から離れようと、落とした器具もそのままで
宇髄が出てくる前に美術室を飛び出した。
・
『はぁ、はぁ、』
誰もいない校舎の中を全力で走る。
教室に置いていた荷物を乱暴にとってまた走る。
体育祭の疲れなんて一瞬で吹き飛んだ。
・
いつもの駅も通り過ぎて、走る。
『はぁ、はぁ、はぁ……！』
いつもは風をきって走れば気分は軽くなるのに、今は軽くなるどころか
どんどん嫌な気持ちが溢れてくる。
(泣くな、泣くな。)
随分長い距離を走った。
そろそろきつくなってきて、減速する。
そして、そのまま近くにあった公園に入った。
もう日も落ちかけて薄暗くなっているから遊んでいる子供は誰もいない。
大人が二人ほど座れるベンチに腰を下ろす。
我慢していた涙が座った瞬間にボロボロとあふれ出てきた。
『グスッ…、ぐすっ……。なん、で…！』
自分で宇髄から離れたのだ。自業自得なのだろうか。
日が落ちる公園で一人、泣いている少女が街頭に照らされていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 395人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ドタバタ編集したのでもしかしたらまだ名前がそのままになっている所があるかもしれません(汗)その時は言ってください！直ぐになおします！ (2020年2月8日 20時) (
レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» 名前変更しました！本当に申し訳なかったです...！どうか最後まで読んでもらえると嬉しいです。 (2020年2月8日 20時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
名前変えたい涙 - こんぺいとー。さん» なんかすみません…私1人のためにそこまでしなくても平気ですよ…！！ (2020年2月8日 18時) (レス) id: 6fb7d582a8 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ぱっと思いついた名前を付けました。不愉快な気持ちにさせてしまい、ホントに申し訳ないです…。足立の名前を変更するのでどうか読んで欲しいです。編集が終わるまで少し時間がかかるかもしれませんがそれまで待って頂けますでしょうか？ (2020年2月8日 12時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ホントに申し訳ないです！！！ごめんなさい！！ (2020年2月8日 12時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こんぺいとー。 | 作成日時：2019年11月6日 18時
