雪が嫌いだった宇髄天元が雪を好きになった理由。【現パロ】

EPISODE 12* ページ14

【Aside】





『炭治郎君。私の聞き間違いかな…？？』





小声で炭治郎に尋ねる。





炭治郎｢いえ…｣







宇髄｢聞き間違いじゃねぇよ。

新しい美術専門の 雪那Aはお前だな。｣







くそ…。ばれたかぁ…。耳がいいのは昔も今も健在ってわけか。







ん…？






美術、専門…？






疑問の顔で炭治郎の方を見る。





炭治郎｢えと…、実は…、昨日の委員会決めで
Aさんの係が美術専門になってしまって……。｣






『え、』






炭治郎｢お、俺！ 変わるって言ったんですよ！

でも、俺の委員会の担当が冨岡先生だから
宇髄先生の方がいいかなって思って…。｣








炭治郎がおどおどと話す。








『………』







炭治郎と話していたら急に目線がグイッと高くなった。








『！？』








宇髄に持ち上げられたのだ。







宇髄｢いつまで話してんだ。さっさと来い。｣








そのまま米俵を担ぐようにしてAは宇髄の肩に担がれる。







『え、ちょ、宇髄さ…先生！』









宇髄｢お前 竈門 とか言ったな。

ちょっくらコイツ借りるわ。｣









炭治郎｢え、あ、はい……。｣









｢はい｣じゃないよ！ と心の中で炭治郎に訴える。









宇髄は廊下に出てそのまま真っ直ぐ歩き出す。









最初は降ろしてくれるように暴れていたが、

歩く振動で ぐわんぐわん と視界が揺れるので
酔いそうになったAは大人しく宇髄に
運ばれることにした。






『どこ行くんですか』







宇髄｢美術室に決まってんだろ。｣







『美術室で何するんですか』







宇髄｢授業の題材の準備を手伝ってもらう。


てか、んでそんな怒ってんだよ。

担ぎあげてるからか？｣





どうもこうもない。





担ぎあげられていることは百歩譲って許してやろう。





Aが不機嫌なのは

前世であれほどの関わりがあったのに宇髄が
全くもって覚えてないからだ。







(まぁ、宇髄さんが悪いわけじゃないんだけどさ……。)







なんだかんだしているうちに美術室に辿り着いた。







絵の具などの独特な匂いがツンと鼻を突く。







ストンっと降ろされて視界が元の高さまで戻る。






『ちょっと酔いました…。』







宇髄｢そりゃあ悪かったな。

んじゃ、早速手伝ってくれ。｣









『はい。』








あれはこっち、それはあっち、と宇髄に指示されながらテキパキと動く。

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