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渡辺さんに案内されて着いた道は
1ヵ月前とは様子が違っていた。
「なんかもっとこう…
賑やかな感じを想像していました。」
「時間が時間だからねー。」
人通りの全くない大通り。
ここは歓楽街、所謂夜の街で昼間は静かだそう。
目的のお店の前にあった看板を見てふと、
店名を知らなかったことに気が付いた。
「candy ice …」
「宝石のような輝きと雪のような冷たさ。
それを持ち合わせたものって意味。」
簡単に説明を入れてくださったけど、
すごく深い。
何故、宝石と雪にこだわったんだろう。
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お店の中も昼間だけあって静か。
当然お客さんはいなくて、スタッフさんが
適当に席に座ってお茶をしたり、
本を読んだりしている。
「あ！こないだの！
慎太郎と康二の女！」
「佐久間、語弊がすごい。」
真っ先に私に声を掛けてくださったのは
前回来た時にステージでダンスやバク転を
披露していた小柄な男性。
「でも翔太が女連れまわすとか
よっぽど気に入ったんだな。」
「余計なこと言わなくていいし、
連れまわすって言うな。
…色々失礼でごめんね。
こいつ、うちの看板ホストの1人。」
「佐久間大介！」
「羽鳥Aです。」
自己紹介を簡単に済ませると、
彼から森本君と向井君との関係など
質問コーナーに。
なるべく答えてはいたけれど
一向に終わる兆しのない弾丸トークに
渡辺さんにどうしようと目線で
問いかけた時だった。
「佐久間、うるせえ…。」
遮るように近くのソファから声が上がった。
ただ、声の主は見つからない。
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作者名：沙羅 | 作成日時：2021年3月2日 17時
