1-7 心の支柱 ページ9
トン、トン、トン
物思いに耽りながらタバコを吸っていると、規則的なノック音が聞こえた。
「鬱くん、いる？」
Aさんの声や。
急いで灰皿にタバコを押し付けて、扉を開ける。
驚いた顔をしたAさんの腕を掴んで、部屋に引きずり込んだ。
『……びっくりした？』
「すっごくびっくりした」
そのまま力を込めて抱きつくと、Aさんも同じように背中に腕を回してくれる。
「また換気せずにタバコ吸ってたね？」
『あ』
「ベッドに匂い着いちゃうから、換気しようね」
せやった。
僕のデスクは医務室の中にあるから、デスクでタバコ吸ったら換気してって言われてたんや。
『ごめん』
「いいよ」
Aさんはそう即答し、頭を優しく撫でてくれる。
「急に呼び出して、どうしたんだい？」
『……んー』
Aさんの肩に顔を埋めたまま、唸り声をあげる。
「寂しくなっちゃったか」
『……うん』
図星だ。
「ちょっとしんどくなっちゃったね」
『うん』
これも図星。
Aさんは僕の気持ちをすぐ察してくれる。
多分超能力者とかそういう類の人なんやわ。
「じゃあ、俺と一緒にちょっと休憩して、それから仕事にするか」
僕が仕事を溜めていることにも気づいてくれたらしい。
ほんまにすごい。
『Aさん』
「なに？」
『ありがとう』
ぎゅうっと腕に力を込める。
Aさんがそばに居るだけで、ホッとする。
僕のこと全部わかってくれてるみたいに思えて、僕愛されてるかもなって錯覚できる。
Aさんからしたらただの仕事なんかも知らんけど。
「こちらこそ、そばに居させてくれてありがとう」
Aさんは僕の頬を親指で撫でながら、目を合わせてそう言った。
なんだか無性に嬉しくて、また抱きつく。
いい歳した男2人が抱き合ってるとかちょっとした衝撃映像やな。
でも、今の僕には必要な作業や。
こんなふうに甘えるようになったのはいつからやっけ。
Aさんの体温を感じながら、ちょっと昔のことを思い出していた。
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っっっっぽ(プロフ) - 名無しのサメさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！ 更新頑張りますね！ (2022年10月20日 17時) (
レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - みずきさん» コメントありがとうございます！ 励みになります…… (2022年10月20日 17時) (レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 夢主が良すぎる！この作品好きなので、更新頑張ってください！ (2022年10月16日 12時) (レス) @page30 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - っは…！ゆ、夢主イケメンすぎひんか…！？あ、応援してますぅ、更新頑張ってください！ (2022年10月10日 2時) (レス) @page27 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - さるさそーすさん» コメント頂いていたのに気づかずすみません！ 好みに刺さってよかったです……更新頑張ります！ (2022年9月22日 2時) (レス) @page2 id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：っっっっぽ | 作成日時：2022年7月22日 2時
