1-5 禁止事項 ページ7
Aさんは胸ポケットから紙を取り出し、目の前に広げた。
「この紙に書いてるように、禁止事項が3つある」
Aさんが低く、響きのいい声で紙を読み上げていく。
「専属執事の禁止事項は
1、戦場に出てはいけない
2、兵士を体を交えてはいけない
3、依存してはいけない
この3つ。
戦場に出てはいけないのは、沢山の労力と時間をかけて育成した専属執事が簡単に死んでは、損失が大きすぎるから。
体を交えてはいけないのは、感染症の予防や軍の秩序のため。
依存してはいけないのは、軍人の多くが死んでここを去るから。俺ら執事はいつだって残される側だ。
この禁止事項は絶対。
破った場合、執事はクビになる。
まあ、3つ目なんて判定難しいけど。
……逆を返せばこれ以外のことはなんでもできる。
戦場じゃないパーティなんかには護衛として付いて行ったりするし、添い寝だってしてあげる。
書類仕事も手伝うし、どうしてもっていうならサンドバッグにもなる。
そんな都合のいい存在が、俺ら『専属執事』ってわけ。
わかったかい？」
『は、はあ……？』
「なんとか」
ダメなことはわかったけど、全容が見えへん。
頭の中がハテナのまんま。
「まあ実際Aさんと関わっていったらわかるわ」
「俺がなんでもやる人だって？」
「おん」
「ははっ、確かにね」
ま、多分俺はそんなにお世話にならんやろ。
今までだって自分の仕事は自分でやってきたし、中隊長のトントンよりは書類の量もマシなはず。
どうしてもって時だけ利用させてもらおっかな。
そんなことを思いながらトントンとAさんが話しているのを見ていると、突然Aさんが耳に手を当てて静止した。
「え、今？ ……仕方ないなぁ、君は」
「誰？」
「鬱くん。ちょっと席外してもいいかい？」
「ああ、大丈夫」
『……どうしたんすか？』
「ちょっと呼び出し。行ってくるね」
そういうと、Aさんは少し駆け足で部屋を出て行った。
なんで急に大先生の話？
「耳、インカムしてるんすか」
静かに閉じられた扉を見ながらショッピが呟く。
「せやで……ってお前ら幹部用のインカム貰ってないん？」
「貰ってないっす」
『そんなんあんの？』
そもそもインカムってなに？？？
さっきAさんが耳触ってたやつ？
「あー、ゾムんとこ行って貰ってきい」
「はーい。行くで、チーノ」
『え。は、はい！』
訳がわからないままショッピに腕を引かれ、トントンの執務室を後にした。
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っっっっぽ(プロフ) - 名無しのサメさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！ 更新頑張りますね！ (2022年10月20日 17時) (
レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - みずきさん» コメントありがとうございます！ 励みになります…… (2022年10月20日 17時) (レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 夢主が良すぎる！この作品好きなので、更新頑張ってください！ (2022年10月16日 12時) (レス) @page30 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - っは…！ゆ、夢主イケメンすぎひんか…！？あ、応援してますぅ、更新頑張ってください！ (2022年10月10日 2時) (レス) @page27 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - さるさそーすさん» コメント頂いていたのに気づかずすみません！ 好みに刺さってよかったです……更新頑張ります！ (2022年9月22日 2時) (レス) @page2 id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：っっっっぽ | 作成日時：2022年7月22日 2時
