1-3 中隊長にご報告 ページ5
「2人揃ってどないしたん？」
ビル群の奥からトントンの声が聞こえる。
座って作業をしているであろうトントンの姿は、書類によって殆ど見えない。
ギリギリ、七三分けの前髪が見えるくらいだ。
「俺ら小隊長になったんすわ」
「お、おめでとうなぁ」
『それで、専属執事って人に挨拶しに……』
「俺にお客さんなんて珍しいな」
突然背後から声が聞こえた。
驚いて振り向くと、そこには燕尾服を着た男が立っていた。身長は俺と同じくらい。
身体もでかいし、俺もショッピくんも耳はいい方やのに。
……全然気付かんかった。
ショッピと2人、目を見合わせる。
「あ、Aさん。おおきに」
「いえいえ。はい、これどうぞ」
燕尾服の男は、持っていたトレーからトントンに紅茶とスコーンの乗った小皿を差し出す。
その所作はなんとも滑らかで、まさに「執事」だ。
大きい身体からどうやったらあんな所作が生まれるのだろう。
丁寧とはまた違うっていうか、上品っていうか。
筋肉でパンッと張った燕尾服はなんだかチグハグで、でも他の服があり得ないくらい似合っている。
男相手に、正直ちょっと見惚れてしまった。
「それで、チーノくんとショッピくんが俺になんの用かな？」
『えっ、あ』
「えーっと、今日から小隊長になったんで挨拶に」
『そう、そうなんです』
「そうか、わざわざありがとう」
そう言って微笑む男。
これが大人の余裕というのだろうか。親しみやすさと色気が同時に感じられて、妙な気分になる。
……不思議な人だ。
「せっかくだし、ちょっと休んでいったら？」
『え、でもトントン仕事中じゃ、』
「俺もいま休憩するとこやってん。紅茶1杯飲むくらい誰も怒らん」
「ほな、お言葉に甘えて」
ズンズン部屋に入っていき、椅子に座るショッピ。
豪胆すぎるやろ。
「ほら、チーノくんもおいで」
先程まで書類だらけだった机はいつの間にか書類が退けられ、きれいな天板が見えていた。
恐ろしく仕事が早い。
厳しいで有名なシド大隊長が「有能」って言ってただけある。
燕尾服の男は、これまた無駄のない所作で紅茶を淹れていく。
よく見ると、カップにオレンジ色の花が描かれていた。ショッピのは紫。
さりげないおもてなしに感心していると、そっとカップが目の前に差し出された。
ーーー
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っっっっぽ(プロフ) - 名無しのサメさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！ 更新頑張りますね！ (2022年10月20日 17時) (
レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - みずきさん» コメントありがとうございます！ 励みになります…… (2022年10月20日 17時) (レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 夢主が良すぎる！この作品好きなので、更新頑張ってください！ (2022年10月16日 12時) (レス) @page30 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - っは…！ゆ、夢主イケメンすぎひんか…！？あ、応援してますぅ、更新頑張ってください！ (2022年10月10日 2時) (レス) @page27 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - さるさそーすさん» コメント頂いていたのに気づかずすみません！ 好みに刺さってよかったです……更新頑張ります！ (2022年9月22日 2時) (レス) @page2 id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：っっっっぽ | 作成日時：2022年7月22日 2時
