3-7 変身の魔法 ページ31
降参して脱力すると、鏡台の前まで連れて行かれる。
見慣れた、ただの俺が鏡に映った。
目が大きいわけやないし、唇や頬がピンクなわけでもない。
どちらかというと、目つき悪くて怖がられる顔やと思う。
これがほんまに女性になんの？
ちょっと理解できんくて鏡をマジマジ見ていると、突然鏡に布がかけられた。
「どんな風に変わるかは、お楽しみめう〜」
いつのまに準備をしたのか、気づけば鏡台の上には色とりどりの直方体とか円柱型の化粧品が並んでいた。
なんかペンみたいに細いのとか、チューブ状のとかいっぱいある。
あれはまつ毛？
あ、これ口紅や、多分。
知らんけど。
頭にみかんのネットみたいな被せられて、顔なんかで拭かれたり、塗られたり、叩かれたり。
「土台が大事めう」とご機嫌なオスマンさんは無視して、上向くとか、目を閉じるとかそういう指示を淡々とこなす。
「一回こっち向いて」
『はい』
「うん！ いい、いい！ 可愛い！！！」
『……どうも』
オスマンさんは相当機嫌がいいのか、口角が上がりっぱなし。
化粧の腕には自信があるようで、途中でドレス持ってきたAさんにも、「お楽しみだから！」と言ってすぐに退室させていた。
どれだけ化粧したところで、俺が女性になるとは思えないのだが。
……唇に塗られたニュルニュルが気持ち悪い。苦いし。
鏡がかかった布を見ながらぼーっとする。
気づけば化粧は終わったようで頭に乗せたカツラになんかされてる。
またぼーっとしながら待っていると、次は立たされて身体にクッションみたいなのを付けられたりして、最後にドレスを着せられた。
なるほど、クッションが胸みたいになるわけか。
薄紫のドレス。
動いたらヒラヒラ揺れるんがいいと思う。
……すまん、語彙力がない。
「よーし、できた！」
『おー』
「じゃあ、Aさん呼ぶわ」
……。
ま、まあしゃーないよな。
そらそうやわな。
急に恥ずかしくなってきた。
心臓がドックドクいっとる。
……なんで俺が緊張せなあかんねん。
インカムでAさんを呼ぶオスマンさんを尻目に、静かに深呼吸をして気持ちを落ち着けた。
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っっっっぽ(プロフ) - 名無しのサメさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！ 更新頑張りますね！ (2022年10月20日 17時) (
レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - みずきさん» コメントありがとうございます！ 励みになります…… (2022年10月20日 17時) (レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 夢主が良すぎる！この作品好きなので、更新頑張ってください！ (2022年10月16日 12時) (レス) @page30 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - っは…！ゆ、夢主イケメンすぎひんか…！？あ、応援してますぅ、更新頑張ってください！ (2022年10月10日 2時) (レス) @page27 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - さるさそーすさん» コメント頂いていたのに気づかずすみません！ 好みに刺さってよかったです……更新頑張ります！ (2022年9月22日 2時) (レス) @page2 id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：っっっっぽ | 作成日時：2022年7月22日 2時
