3-4 スパルタ ページ28
「歩幅合わせてー」
「肩が上がってるめうー」
部屋にオスマンさんの声と、拍を打つ手拍子が響く。
パーティを1週間後に控え、いよいよダンスの練習が始まった。
場所は、オスマンさんの私室。
大隊長ともなれば、ダンスの練習ができるぐらいの広い私室が与えられるらしい。
ちょっと羨ましい。
なんとかヒールのある靴に慣れたのも束の間、次はそれを履いて踊るという試練が待っていたのだ。
まっすぐ歩けるようになったとはいえ、足は痛いし、バランスは取れないし。
転けてばかりだった最初よりは少しマシにはなったが、動きのキレイさなんかを意識するには程遠い。
パートナーと手を組み、息を合わせてステップを踏む。
男役ですら踊ったことなんてないのに、まさかヒールを履いて女装して踊ることになるとは。
人生ってなにが起こるかわからんな。
「はい、もう一回」
オスマンさんの声に、緩んでいた気が引き締まる。
目の前には、いつもの燕尾服を脱ぎシャツの首元を緩めたAさん。
普段は絶対見えない首元が露わだ。
重ねた右手は優しく包まれ、背中を支えるようにAさんの手が回されている。
あ、なんか俺はAさんの同郷の幼馴染(年下)っていう設定らしいわ。
そんな2人が今回のパーティで「偶然」久しぶりに再会すると。
そんで、一緒に踊ると。
エミさんもオスマンさんも、パーティ中ずっと一緒にいても変じゃない設定を考えるのに苦労してた。
妹とかにしたらもっと自然やろって思ったけど、血縁関係にしたら諸々書類の改竄がめんどいらしい。
「まだまだ動きが硬い。
そんなんじゃ男ってバレるし、キレイじゃないめう」
オスマンさんは前情報通りスパルタだった。
かれこれ1時間は踊りっぱなしだ。
もうそろそろやばいわ、これ……
「少し休憩にしようよ、オスマンくん」
Aさんが額に汗を浮かべながら言った。
さっきまで組んでいた手は離れ、俺の身体を支える手だけが残されている。
「えー、でも」
「お茶にしない？
集中していたから喉が乾いちゃってさ」
お腹も空いたし、と笑うAさん。
それでもオスマンさんの表情は険しい。
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っっっっぽ(プロフ) - 名無しのサメさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！ 更新頑張りますね！ (2022年10月20日 17時) (
レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - みずきさん» コメントありがとうございます！ 励みになります…… (2022年10月20日 17時) (レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 夢主が良すぎる！この作品好きなので、更新頑張ってください！ (2022年10月16日 12時) (レス) @page30 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - っは…！ゆ、夢主イケメンすぎひんか…！？あ、応援してますぅ、更新頑張ってください！ (2022年10月10日 2時) (レス) @page27 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - さるさそーすさん» コメント頂いていたのに気づかずすみません！ 好みに刺さってよかったです……更新頑張ります！ (2022年9月22日 2時) (レス) @page2 id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：っっっっぽ | 作成日時：2022年7月22日 2時
