2-7 これは性質 ページ18
「お前みたいなポンコツが小隊長とか、終わってるな」
1人、ベッドの中でさっきの光景を思い出していた。
小隊長になれて、本当はすごく嬉しかった。
不安もあったけどやっぱり、その何倍も何倍も嬉しかった。
今までの自分の努力が認められたんやって。
「よくやった」って褒めてくれてたんやって。
きっと同期らも受け入れて祝ってくれるって。
でも、それは叶わなかった。
「お前なんか幹部に相応しくないだろ」
同期らの指摘は全部図星で、事実だった。
飛び抜けた才能も力もない俺が突然小隊長に昇格した、なんて。
実際俺もびっくりした。
上昇志向の強いやつには、屈辱的だっただろう。
同期たちの動揺はもっともだ。
そう思った。
いや、思うしかなかったのか。
『……俺はまだあいつらをいい同期やと思いたかったから』
あんなことを言われても、彼らは新兵の頃から辛い訓練を共にした同期だ。
みんなのことを簡単に嫌いになれなかった。
それと同時に、俺は自分を嫌うことに慣れすぎていた。
『俺は、違う』
ぐちゃぐちゃな人間だなぁ、俺。
昇格して嬉しかったのに、自分の喜びにうまく向き合えない。
自分ばっかり悪者にして、心を殺していく。
「詐欺師」なんて言われるけど、俺は自分のことをずっと騙し続けてきたのかもしれない。
誰かに自分のことをわかってほしいのに、俺は自分自身を分かろうとしないでいる。
「チーノくんはえらいんだから。
俺は君が真面目でいい子だって知ってるよ」
せっかく褒めてもらっても、素直に受け取れなかった。
褒められた瞬間に、貶された思い出が頭を支配するようなチグハグな俺だ。
そんなことないって、できないことばかり視線が行く。
本当はずっと褒めて欲しかったのに。
『俺はAさんが言うようなできた人間じゃない』
夢か現かもわからない微睡の中で、俺はまた自分自身を否定していた。
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っっっっぽ(プロフ) - 名無しのサメさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！ 更新頑張りますね！ (2022年10月20日 17時) (
レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - みずきさん» コメントありがとうございます！ 励みになります…… (2022年10月20日 17時) (レス) id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 夢主が良すぎる！この作品好きなので、更新頑張ってください！ (2022年10月16日 12時) (レス) @page30 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - っは…！ゆ、夢主イケメンすぎひんか…！？あ、応援してますぅ、更新頑張ってください！ (2022年10月10日 2時) (レス) @page27 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - さるさそーすさん» コメント頂いていたのに気づかずすみません！ 好みに刺さってよかったです……更新頑張ります！ (2022年9月22日 2時) (レス) @page2 id: b723e7a8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：っっっっぽ | 作成日時：2022年7月22日 2時
