イケメンめ！ ページ30
作者名順、同じ作者の作品ならそれも50音順に。
丁寧に本を戻すのはAさんのこだわりだ。
どうせぐちゃぐちゃになるんだからと適当に行っていた作業だったが、Aさんがかなり丁寧に本棚に戻しているのに気づいてからは、私も同じように戻すようになった。
整然と並んだ本たちを見ると清々しい気持ちになる。結構達成感もあるし、純粋に楽しい。
よし、あと5冊。
本の背に書かれた作者名と本棚を見比べながら作業を続ける。
えっと、サ行サ行……
「明日、買い物付き合ってくれへん？」
『ぅえっ？！』
咄嗟に口元に手を当てる。
私の情けない声が図書室にこだました。
まだそんなに人がいなくてよかった……
一瞬でパニックになった頭を整理する。
まず、突然耳元でAさんの声が聞こえた。
あまりにも近い声に思わず跳ねた肩は、既にAさんの腕の中。お腹に目を向けると後ろから腕が回されている。背中にはAさんの体温。
えっと……？ もしかしなくても、後ろからハグされてます？
整理はできたもののいまいち理解できない状況に 頭の処理が追いつかない。
あたふたしていると耳元にAさんの吐息がかかった。
「んふ。びっくりしたやろ？」
コクコクと必死に頷く。
身長差のせいで耳のすぐ横にAさんの唇がある。
「ほんで？ 買い物一緒に行ってくれる？」
そのままの勢いで頷いた。
恥ずかしさで使い物にならなくなった頭では、ただ肯定することしか出来ない。
「後で連絡先教えるな」
そう言いながらAさんの身体は離れていった。
真っ赤になった顔を手のひらで隠しながら、へなへなと蹲る。
突然のドキドキから解放されたからか、全身の力が抜けてしまったみたいだ。
熱を逃すためにパタパタと顔を仰ぐ。
くそ、イケメンめ！
本当にずるい。
そういうことは狙ってる女の子にするべきでしょ！？
なんで私にするんですか！！！
蹲ったまま心の中で文句を言いまくっていると、Aさんがスッと私の横にしゃがむ。
「顔、真っ赤やで」
『わかってます！』
笑いながら頬を人差し指でぷにっと押された。
ほんっとうにこの人は！！！
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っっっっぽ(プロフ) - ぐぅ。さん» リクエストありがとうございます！続編の方で書かせて頂きますので、是非続編の方もも宜しくお願いします！ (2021年4月2日 12時) (
レス) id: 623bb5a80c (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅ。 - 更新頑張って下さい!! (2021年3月31日 0時) (レス) id: 79439debff (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅ。 - 面白いです!リクエストなんですけど夢主君が暫く寝れなくて気遣ったemさんが添い寝or膝枕してほしいです!! (2021年3月31日 0時) (レス) id: 79439debff (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - 碧さん» そう言っていただけて嬉しいです。有り難うございます！ (2021年3月1日 11時) (レス) id: 623bb5a80c (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - めっちゃ面白いです！ 更新頑張ってください！ (2021年2月26日 16時) (レス) id: 83cb21b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：っっっっぽ | 作成日時：2021年2月4日 1時
