彼を待ちながら ページ20
高い湿度。窓を叩く雨粒。
今日、例年より数日遅い梅雨入りを迎えたらしい。
水溜りだらけの校庭では活動できない運動部は、空き教室や廊下で基礎練習に励んでいるようだ。
放課後の校舎にはさまざまな掛け声が響いている。
いつも通り、図書室に向かう。
相変わらずクラスは同じだというのに一緒に図書室には行かない。
まだ距離があった頃の習慣をズルズル引きずっている。
まだ数ヶ月しかたっていないのに随分仲良くなれたものだなぁと頬が緩んだ。
不意に廊下の窓を見ると、どれも結露していてすりガラスのようになっている。
最近はかなり湿度も高いし、そろそろ倉庫にしまってある除湿機を出す必要がありそうだ。
旧型でそれなりの重量があるが、Aさんに手伝ってもらえば簡単に運べるだろう。
Aさんが来たら頼んでみようっと。
集合時間より少し早く着いた私は、倉庫に潜って除湿機探しを始める。
確かこの辺だったはず……
約一年振りに再会した3台の除湿機を順番にコンセントに繋いで動作確認をする。
どれも問題なく動いているようだ。
ふと時計を見ると、集合時間から10分過ぎていた。
あれ、Aさん遅刻かな？
珍しいこともあるもんだと思いながら返却済みの本を眺める。
そういえばAさんの連絡先知らないな。
いつも時間通りに来るもんだから必要ないと思っていたが……
交換しておくべきだったか。
また教えてもらおう。
どうやって聞いたら自然だろうかと頭を悩ませながら、本を本棚に戻していく。
あ、この本はAさんにお薦めしてもらった本だ。
今まで彼に薦めてもらった本はどれも面白かったし、読んでみよう。
ささっと作業を終わらせて本に手を伸ばす。
本を持ったまま倉庫に入り、どさっとソファに腰を下ろした。
ピンクや黄色の花が咲き乱れる表紙に、雨で沈んだ気持ちが少し晴れた気がする。
Aさん、早く来ないかな。
そっと表紙を捲りながら、また彼のことを考えていた。
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っっっっぽ(プロフ) - ぐぅ。さん» リクエストありがとうございます！続編の方で書かせて頂きますので、是非続編の方もも宜しくお願いします！ (2021年4月2日 12時) (
レス) id: 623bb5a80c (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅ。 - 更新頑張って下さい!! (2021年3月31日 0時) (レス) id: 79439debff (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅ。 - 面白いです!リクエストなんですけど夢主君が暫く寝れなくて気遣ったemさんが添い寝or膝枕してほしいです!! (2021年3月31日 0時) (レス) id: 79439debff (このIDを非表示/違反報告)
っっっっぽ(プロフ) - 碧さん» そう言っていただけて嬉しいです。有り難うございます！ (2021年3月1日 11時) (レス) id: 623bb5a80c (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - めっちゃ面白いです！ 更新頑張ってください！ (2021年2月26日 16時) (レス) id: 83cb21b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：っっっっぽ | 作成日時：2021年2月4日 1時
