怖いもの ページ12
こうちゃんside
今日は珍しく土砂降りだ。時々雷が鳴ったりするし。
俺の隣には、すっかりここに馴染んだAちゃんが座って本を読んでいる。
福良「こうちゃん。ここ、訂正しといて。」
こう「はい。」
やっぱり、ここは違う表現のほうが分かりやすいかな。よし、もうちょっと頑張るか。
すると、いつの間にかAちゃんが俺の横にぴったりとくっついている。
こう「どうしたの?」
いつもはこんな事ないのに。
A「...雷、嫌。」
こう「あぁ。」
そういえば、伊沢さんがそんなこと言ってたな。そんなことを考えていたら、結構近くで雷が鳴った。
A「っ...。」
隣を見ると、Aちゃんが目をギュッとつぶって小さくなっていた。
こう「怖いならくっついててもいいよ。」
そういうと、
A「...ありがと。」
と言って、二の腕の辺りにしがみついてくる。
こう「大丈夫だよ。俺もちっちゃい時は雷怖かったし。」
気を紛らわせてあげようと、話しかけてみる。
A「本当?」
こう「本当本当。怖くて布団に包まってたりしたし。」
A「今は怖くないの?」
こう「全然へーき。大丈夫だよ、そのうち怖くなくなるから。」
そういうと、ずっと強張っていた顔が、少し緩んだ気がした。それから俺は、Aちゃんを安心させてあげようと、しばらくそのまま近くにいてあげた。
こう「福良さん。Aちゃん雷怖いらしいんで、雷鳴ってるときあんまり一人にしないようにしません?」
福良「あー。そうだね。じゃあ、誰か1人が傍にいることにしようか。」
伊沢「ちょっとまて!こうちゃん、Aに何もしてないだろうな!」
こう「するわけないじゃないですか!何いってんすか。」
伊沢「ならいい。」
須貝「よし。その役目、俺が引き受けた!福良、いいよな!」
山本「ずるいです!僕もAちゃんの傍にいたいです。」
伊沢「いや、その権利は兄である俺が持っている!おとなしく俺に譲れ!」
福良「勝手に話進めないの!交代だからね。わかった?」
伊沢「だから...」
福良「わかった?」ニコォ
伊沢「...はい。」
福良「須貝さんもいいですよね。」ニコォ
須貝「あ、うん。(あの笑顔こわっ)」
福良「じゃあ決まりね。」
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作者名:絹 | 作成日時:2020年1月16日 21時