支配人と腐女子【文スト】【シグマ】

十 ページ11

ホラー映画の序盤で出て来るリア充とか、嫌な予感しかしない。泣きたい………。



《ははは、こっちこっち〜…って…何だあれ？》



女性と鬼ごっこ(?)をしていた男性がふと立ち止まり、一点に眼を凝らす。



《眼……？》




闇の中で、眼球の様な赤い光が二つ不気味な輝きを放つ。




『あああああああ……………来たよ……来たよコレェェェ……』




怖いー！！！怖い怖い怖い！！！！無理ィー！！



私はぬいぐるみを抱きしめる力を強める。



《……人形………？》



え？人形？？



見ると、画面には中々にリアルな子供の人形が映っていた。



てか此れチ●ッキー人形のパクリじゃ…((



《キシャアアアアアア!!!!!!》



《いやあああああ！！》




『ギャアアアアアアアアアーーー！！！！！！！』




凄まじい鳴き声(?)を上げて女性に襲いかかる人形。



人形系のホラー映画とか聞いてないってばよパイセン！！！←




確実にぬいぐるみを抱いて見るべき映画ではないよ此れは絶対！！！



「被害者よりも観客の悲鳴の方がでかいって如何云う事だ」



あとシグマ君冷静過ぎない！？！？



ぬいぐるみを手放し、行き場を失った私の両手が、取り敢えず何かに抱きつこうと暴走する。←



《うわああああああー！！！！》




『イッヤー！！！！！！！』




男性までもをコロコロしようとする人形にビビり散らかした私は、我を忘れて思わず隣のシグマ君の腹に抱きついた。



「ッッッッッッうわっ！？！？！？！？」




私に負けず劣らずな悲鳴を上げるシグマ君。



解るわ〜ホラー観てる時に急に誰かに触れられたら死ぬ程吃驚するよね〜(違うそうじゃない)




だが私だって怖いんだ！頼みの綱のぬいぐるみも今回は抱きしめられないんだ！！




『ごめんシグマ君！！！今だけ抱かせて！！！』




「君本当言葉遣いとか気をつけた方が良いと思うぞ！？！？」




《きゃあああぁぁぁー！！！》




『qあsE@ziミ゜！！！！！！！』




私は画面から顔を背け、恐怖のあまりシグマ君の横腹に顔を擦り付ける。




「〜〜〜〜〜〜！！！！！！！」




シグマ君が声にならない悲鳴を上げているが、其れどころではない。



私はホラーがモブ×推しより苦手なんだ！



___こうして、ホラー映画VSクソビビリ＋巻き込まれた三歳児という名の頭が可怪しい争いは、ホラー映画の圧倒的勝利と云う形で集結したと云う。←






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