息抜き ページ7
*
私の運命の人ってどこにいるんだろう...
ため息をついて鏡と向き合った。白い純白のドレス。別人みたいな可愛い顔。
「よくお似合いですよ！」
女性のスタッフさんが自分のことのように微笑んで言ってくれる。まぁ、嬉しいんだけど。
緊張の中カーペットの上を歩く
ドレス踏んじゃわないように慎重に慎重に
神父さんがいるところまでゆっくり歩いてきてお父さんの腕を離す。向こうに見えるお母さんはハンカチを目にあてて泣いている。
なんだかこっちまで泣きそうだよ
「それでは、誓いのキスを＿＿＿」
ガシャーン‼
「ちっす、ちっすどうも花嫁さん」
驚きで声が出なかった。
「ゾムちゃんと説明せなあかんやろ〜」
「どうも、花嫁さん。俺、シャオロン、まあ適当に呼んでや。俺らなあんたを花嫁にするために攫いにきました」
は...？いやいやどういうことでしょうか。
でも面白そうかもしれない。
正直ほんとの花婿とはうまくいかないとこしかなかったし。
彼の元に歩み寄る。
跪き片足を立てるシャオロンさん
「俺と結婚してや、花嫁さん＿＿＿」
優しく微笑まれた顔に胸がきゅーっとなる
この人となら毎日楽しいかな。
差し出された手を取ろうとすると
強い力で引っ張られた。
「捕まえたで」
花婿は呆然。そりゃそうだよね。
ゾムさんは教会の外で警官を食い止めて見ているみたいだった。
「ゾム！撤退や！撤退！」
「ふーん！オーケーだぜ！」
ちょっと我慢してな。
そう言われてコートをかけられる。
恐る恐る首に手を回すと少しずつあかくなるシャオロンさん
わかりやすい反応にこちらも恥ずかしくなってくる
みるみる景色が変わっていく
中には呆然としたお母さんの顔も見えた。
「ん！ついたで、ケガとかしてへんか」
「ここが俺らの住処やんな」
連れてこられたのは海のなか。
ふくらはぎのかすり傷と靴擦れが痛むけど海の中なんてロマンチストなものを見せられればそんな痛みもぶっ飛ぶ
「改めましてこれからよろしくな花嫁さん」
「あ、せや名前なんてゆうん？」
「Aと言います、よろしくおねがいします」
「んこれからよろしくなA」
「んふふ、よろしくな、俺海洋民族にちょっかいかけてくるわ」
ひらひらと手をふってでていくゾムさん。
ここに来て気づいたんだけど彼ら海賊だったんだ。
(俺らが賊で驚いた？)
(ちょっとだけ、おどろいたかな)
(とりあえず服着替えんとな、めっちゃぼろぼろやし)
*
海賊編祝い！！
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作者名：そらそらおそら | 作成日時：2019年5月3日 1時
