びしょ濡れな花嫁 ページ2
*
「はあ？」
「なんや、トントン突然叫ばんといてや」
「グルさんがこっちに向かってる」
天気は大雨。
地面もぬかるんで馬車も止まった
半年前、突如姿を消したグルさんは毎月数本電報を俺らに送ってくるだけで所在は不明。
大先生の「女ができた」説も一時期は疑ったが
「大先生、よう考えてみそれはないやろ、だってあのグルッペンやで？」
「せやで大先生、生きてる女に興味ないっていってたで」
シッマ、シャオロンからの否定によりその説は立証ならず。
だが今日、しかもこんな大雨の中。
管理室にカスタムが入った。
【用は済んだ国に戻る】
1時間前の俺は帰ってくるん流石に雨が止む明日やろな。風呂は明日わかせばええし、やっと帰ってくるんか。
文句はわんさかあるけどとりあえず無事に帰ってきてもらわんとな
管理室でカスタムの返事をうって呑気に背伸びをしていた
【りょーかいですわ、気をつけて】
それが1時間経って誰が予想したか
【トントン今から帰るという意味だ。
見ての通り雨が酷い、風呂を頼む】
管理室で「はあ？」と叫べばロボロが「なんや」と反応する
何言ってんすかねうちの総統は
「あーシャオちゃん？」
「んーどうしたトントンそんな焦って」
「すまんなぁ風呂沸かしてくれんか、うちの総統が帰るとかほざきよった」
「ええけど、それより！グルちゃん帰ってくるん」
らしいで。
ロボロもまじかみたいな反応をしていたのが見える。
「あー、みんなグルッペン帰ってくるらしいから特に大先生とかコネシマ、お前ら暇やろ迎えの準備してや」
さすロボ、通達がはやい。
「すまんけどゾム、迎え頼めるか？」
「おん、ええけど、グルッペンどこおるん」
ロボロの的確な指示で迎い入れる体制が始まった。
1時間後には東方面からかえってくるグルッペンが高台から確認できて無事で良かったですとエミさんが一言
玄関ホールに全員が揃いびしょ濡れのゾムが帰ってきた。
「ん。もう、かえってくるで」
扉が開いて雨の音が強くなる
扉から【2人】入ってきた。
「わ...びっくりした」
「すまない今帰った」
だれやこいつ。女？
「事情は後で説明する。まずはこいつを風呂にいれてやってくれ」
*
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作者名：そらそらおそら | 作成日時：2019年5月3日 1時
