【ダンボール戦機】許せる心【海道ジン】 (ページ7)

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第５話　裏話ページ7

「にしてもどうしたんだろーな、檜山さん。
　少し遅れてもいいぞ…って」

「なんか関係者の一人が遅れてるらしいわよ。」

アミがため息をつきながら「しっかりしてほしいわ」と呟く。それをオレ、否山野バン聞いてまあまあ、と宥める。しかし、伝説のプレイヤーレックスが司会する大会に遅れるってどういうことだろう？前アングラビシダスの会場を皆と見てみたけど、観客は…お世辞を言ってもあまり素行のよさそうとは言えない人ばかりだった。

「バン！なーに暗い顔してんだよ!!」

「そうよバン！何か考え事？」

「あっ…嫌いやなんでもないよ」

オレの曖昧な返事があまり納得してないのか二人はジィーｯ、とこっちを見ている。別に知られてもいいことだが説明が凄くしょうもないのでハハハ…と笑って返した。
まだジィーｯ、と見る二人の視線に耐えきれなくなったので、話題を変えよう。

「そ、それよりもさ優勝したらアルテミスの出場資格と前期チャンピオンと闘えるって豪華だよね！」

優勝、と聞いたのか二人は目をキラキラさせて、そうだよね！、と満面の笑顔を向けて言った。二人はオレの曖昧な返事を忘れたのか前期チャンピオンの話をしていた。やっぱりオレ達はLBX 好きだなあて思ってしまう。

「チャンピオンってどんな人なんだろう？」

「やっぱりLBX の腕は強いんじゃないかな？あのアングラビシダスで生きのっこっただけあるし…」

「やっぱ強いよなー…でも戦うのは自由なんだろ？」

「まあ…勝った優勝者が貰えるのは前期チャンピオンの挑戦権だけだもの」

そうこうしている間に大きなカップが見えてきた、ブルーキャッツいやアングラビシダスの会場が見えてきた。体にグッ、と来るものを抑え、小走りしながらブルーキャッツの目の前まで行く。後ろからも遅れてアミとカズが走ってきた。

真ん前まで来るとアミとカズと見合わした。

言葉は交わさないものも目を見たら分かる。
にっ、と笑ってブルーキャッツに入ったーーー……だが入れなかった。

大きな足音のせいで。

大きな足音はしばらくしたら止まる。大きな黄金色の瞳を大きく見開き、肩を揺らしている。肩を揺らす度に赤い髪を大きく揺らしている。彼女の赤い髪には何か見覚えがあった。
確か…………？

「えっと…君も入るの？」

彼女は今の大きな目をもっと目を大きくして、そしてしばらくしたらフッ、と表情を変え優しい笑顔に変わる。

「うん、入るよ」

あっーー椎名Aだ。