第３話 遅刻 ページ5
ピピッと鳴るCCM。
これに出ないと怒られるであろう…
レックスは大声で怒りだすだろうか。
…いや静かに怒るだろうなレックスは…
心当たりは何個か……あるわ。
…そうアングラビシダスに遅れてることだろう?
前期チャンピオンだから早く来い、と言っていたのに私が30分位遅れてることだろう?
よーく分かっているんだ……よーく。
だが私は怒られにいこうじゃないか!
迷うことなく終了ボタンに力をこめﾊﾟﾀﾝｯ、とCCM を閉めマナーモードにし速やかにポケットにしまう。
ピピッ、となり続いていた音が無残に消える。
ふう、と安堵の息をはき一言…
「終わった…………」
何が終わったって??
察してくれ。お願いします、察して。
レックスは怒ってるだろうか…絶対怒ってるだろう。
ていうかなんだよ、なんで１０時から始めるんだよ…！！私が提案したんだけどさあ！！
まず『アングラビシダス』ってなんだよ！！『ビシダス』ってなんなんだよ！！
レックスが付けた名前なの？悩みに悩んだうえでこの名前にしたの？
これでいける！、って思ったのかよ！！
……もうやめようなんかむなしくなってきた…
レックスごめん…私が提案したのに遅刻(現在進行形)して……
でも大会名についてのことは悔いはないわ。
「とりあえず降りよ。」
３回目の階段のギシギシと鳴る音。
最後の段でミシィ、と危なげな音もしたが気のせいだ、気のせい。
朝ごはんを置いてたリビングを通り過ぎ、玄関に向かう。
玄関にはポツン、と鍵が置いている。これで閉めてけよという意味なのだろう。
それを徐に手に取り、ドアノブを捻り外へ踏み出した。
空を見るとサンサンデリの太陽が私をみをろしている。
…マッブシ……太陽おまえは光りすぎた。
これはUVケア？が必要だな………と思ったけどよくよく考えたけどそんな女子力私は持ち合わしてねえわ。分かりやすく項垂れる。なんか切なくなってきたからもうやめよう。
でも本当にまぶしいので顔の前に手をかざしてみた
あれこれって結構かっこい………ごめん、自重するわ。
後ろを振り向き忘れないうちに鍵をかける。カチャリ、と良い音がなる。
「よっと…うん閉まったな。」
そんな呟きとともにサラリと風が流れる。風が頬を撫でるような感じがした。
しかも天気もいい。
そしていつものテンションにまで戻ってきた!
お帰り!私のテンション‼
これは鼻歌でも歌いながらでもいけるんじゃないか！
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