24話 ページ25
綾音ちゃんに通されて、古い囲炉裏のある部屋に来た。井草の匂いのする、私の考える田舎ぴったりな場所。やはりここも襖は全開らしく、家が大きいだけあって開放感で溢れていた。外に視線をやると、森の緑をバックに斜線をひいた雨がいくらでも降ってきている。
雨の匂いと湿気の匂いを胸に閉じ込めるために、深く深呼吸をした。綾音ちゃんに違和感を与えないように、心に静かにと言い聞かせねばならなかった。綾音ちゃんが、渋色の座布団を２枚持って、こっち、と廊下に誘う。
「ありがとう。良いところね」私はのびをしながら言う。
「田舎よ。あなたは何処出身なの？」
「千葉だよ」
私は苦笑しながら、千葉のことを薄らと思い浮かべながら口にする。
「ゲームセンターとか洋服屋さんとか、それからでっかい映画館のあるところ」
「良いところじゃない」
「ううん。こっちの方が静かでいいと思うなあ。
そうだっ、自己紹介遅れたね」
私達は座布団に並んで座り、外を見ながら足をブラブラさせていた。綾音ちゃんからは仄かにラベンダーの香水の良い匂いがして、都会に憧れてるんだ、と気付かされた。水色のノースリーブにはビジューがつけられていて、クリーム色の半ズボンとの相性が良い。純白の靴下からは柔軟剤の香りが零れて、鼻に入ってきそう。
私は綾音ちゃんを見ながら、自分の名前と出身の学校と趣味、食べ物の好き嫌いを話した。ここに来る前はこんな自分を話すようなことしなかったのにな、と疑問に思いながら――。
「私は、南崎 波留。ハルって呼んでね。
今は森の魔女のサラさんに弟子入りしてるんだけど、前は地元の千葉高校に通ってて。クラブは帰宅部。魔女の同好会とかがなくて。中学の時は美術部にいてね、こう見えても副部長してたんだよ。
趣味は、最近は読書かな。サラにもらった本を読むのが凄く好きなの。元から本は好きだったんだけど、サラに一押しされて余計に好きになっちゃって。それから、今はサラと食べるチーズが好きかな。パンにつけて食べるの」
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レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 桂馬さま、お読みいただきありがとうございます♪ 見習い魔女と本物の魔女の絡み合いってどうなんだろう？ と思いながら作者ながらに書かせていただきました！ (2015年9月13日 17時) (
レス) id: 6298628eb9 (このIDを非表示/違反報告)
桂馬(プロフ) - 面白かったです。サラさんとハルの日常が好きです。 (2015年9月13日 16時) (レス) id: 28fb1f4f57 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 椋香さん» 椋香さま、読了お疲れ様です！ もうすぐふたりの季節になりそうで、俺としても誰かに読んでほしかったので……。椋香さまに読んでもらえて良かったです。御互いの個性が出て、読み手さんの心に響くような作品を目指していきたいですね(*´-`) (2015年5月28日 17時) (レス) id: 6298628eb9 (このIDを非表示/違反報告)
椋香(プロフ) - 私にはできないな、と思いました。ですからもう少し自信を持って、次の作品作りがんばってくださいませ。長々とごめんなさい、楽しみにしてます。 (2015年5月28日 14時) (携帯から) (レス) id: 79a496978a (このIDを非表示/違反報告)
椋香(プロフ) - 読了しました、確かにハジェンズさんが仰る通り後半の打ちきり感が少し残念にも思えますがハルの『心変わり』のシーンや勇一君のハルへの最後の言葉とかさすが…、となりましたし、 (2015年5月28日 14時) (携帯から) (レス) id: 79a496978a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナンシー・ハジェンズ | 作者ホームページ：https://twitter.com/seshiru777777
作成日時：2014年7月31日 15時
