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横山「あの人知り合い？」
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きみくんが目を向ける方へ顔を上げると大倉さんがいた。
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ただ真っ直ぐ私を見つめて。
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「あ、あの人は大倉さん、教習所の講師。偶然会ったの。近所に住んでるんだって。」
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横山「へえ..教習所今日からやったな。」
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そう呟くと、きみくんは大倉さんに対しペコリと頭を下げた。
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すると大倉さんもそれに会釈で返す。
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暗がりで分かりにくかったけど、少し口角を上げながらも眉を顰めているように見えた。
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横山「ほな帰ろか。」
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そう言うと左手を私に差し出した。
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珍しい。
いつもは外で手なんて繋ごうとしないのに。
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不思議に思っていると..
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横山「あの人、なんやった..大倉さん？カッコええな。顔もイケメンで身長も高くて。」
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まあ確かに。
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「大倉さんね、生徒に人気あるの。みんなカッコイイ！って。騒いじゃって、」
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私の手を握る力が少し強まった。
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横山「なあ、A..俺がめっちゃヤキモチ焼きなん知ってる？」
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その潤んだ瞳が揺れては真っ直ぐ私を見つめる。
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ねえきみくん、そんなのもうとっくに知ってるよ。村上先輩とも話したよ。
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私の日常生活にどれほどあなたが居るか。
きみくん、あなたは全く知らないのね。
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家まであともう少しという所で、私たちはどちらからともなくキスをした。
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