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今日はYouTubeの撮影。
新曲のプロモーションで久しぶりに全員が揃うから楽しみだ。
ああ、でも。
「照が、いるんだよな」
そう口に出したと同時に吐き気が込み上げてきて、ベットに黄色い花を吐いた。
ふぅ、とため息をついてから、吐いた花をかき集めて処理して家を出た。
*
「おはよ〜」
楽屋に入り、挨拶をすればまばらに返事が返ってくる。
荷物を置いて、阿部ちゃんの隣の席に座ると、阿部ちゃんから話し掛けられる。
「ふっか、最近体調悪そうだけど」
「ああ、大丈夫。新しいゲームにハマっちゃったから寝不足なんだよね」
「ちゃんと睡眠はとらないとだめだよ?」
おっけー、と携帯を見ながら返事をしておく。
阿部ちゃんはもう興味がなくなったのか、勉強を始めた。
「おっち〜!!」
ドアを勢いよく開けて入ってきた佐久間。
「佐久間うるさい」
と、照。
ここで吐いても困るから照のことはあまり見ないように挨拶する。
それでも照は俺のとなりに座ってくる。
「ねえ、ふっか」
「ん〜?なに?」
「ここの構成で相談があるんだけど…」
これは仕事だ、深澤。
距離が近いのは当たり前。
そうずっと思っていれば意外と普通に会話が出来て安心する。
仕事の話が終われば、照はトレーニングを始めるために離れていって。
そこから撮影が終わるまで照と喋っても吐き気がすることはなかった。
だから油断していたんだ。
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作者名:くるり | 作成日時:2022年2月11日 21時