情熱 (ページ2)

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2人、裸で1つのベットに横たわる。

先ほどまでの行為で蕩ける思考と身体。

決して拓司は行為中、好きなどの愛の囁きは行わない。

私たちはそういう、関係だからだ。

一年前、普通の友達だった拓司は私を抱いた。

ちゃんと、そういう関係になろうと提示されて。

その時私は拓司のことが好きで、少しでも好かれたくて関係を持った。

今も変わらず私は拓司が好きだ。

乱れた前髪とか、汗ばんだ体とか、ぜんぶ、私だけのものにしたい。

でも、今日でやめよう。そう心に決めて今日は抱かれにきたのだ。

『……ねぇ拓司、もうやめても、いいかな。』

「……何を？」

『こういう、カラダだけの関係を。」

思わず涙が出る。声は震える。

関係を持ってから一年間、それなりに大切にされてきたとは思う。

でもそれは彼女への対応とは違う、抱くために優しく接してくれてたのだ。

「……本当はやめたくないんじゃないの？」

拓司には、私の気持ちがわかると思っていた。わかってほしかった。

「俺は、Aのこと好きだよ。」

そう言うと私をぎゅっと抱きしめる。

「Aがいてくれたら、俺とずっとこうしてくれてたら嬉しい」

「……だからもう一回、シよ？」

……この3ヶ月後、本当は拓司は私のこと好きではないこと、カラダだけの関係を続けるための嘘だったことを知る。

欲情
異性の肉体を欲すること