40 ページ42
.
そう言った瞬間、山本さんが吹き出した。
｢え？Aちゃん鈍いって自覚あるの！？｣
けらけらと笑う山本さん。
『む、なんかバカにしてます？
それくらい自覚ありますって！』
学校の友達や家族にもよく言われるのだ。
Aは鈍いね〜、と。
なにをもって鈍いとされるのかは分からないけど、
よく言われるから私は鈍いのだろう。
｢そっかそっか、僕は今のままのAちゃんでいいと思うけどね！可愛いもん！｣
両手で頭をわしゃわしゃされる。
『む〜…子供扱いしないでください！』
｢まだ高校生は子供です〜｣
と言われ、頭をわしゃわしゃされ続けた。
｢でもまあ今のはちょっと川上さんが
大人気ないよね〜｣
｢…ごめんて｣
川上さんが小さく返事をする。
『大人気ない？』
思わず聞き返すと、
｢Aちゃんは分からなくていーの。
ね、伊沢さん？｣
伊沢さんはずっとこっちの様子を見守っていたようで、声をかけられて優しい顔を微笑ませた。
｢そうね、俺としてはみんなが
Aちゃんと仲良くなってほしいからなぁ、
ね、川上？｣
｢…だからすみませんって｣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ko‐chan side...
1番俺が年が近いわけだし、
たくさんお話したいなって思うのはいけないことだろうか。
きっとこの気持ちは
川上さんがAちゃんに抱いている気持ちとは違うはずだ。
遠くで川上さんと伊沢さんと山本さんとAちゃんの会話が聞こえる。
俺はもう既に終わらせた記事のチェックを
何周もしていた。
時は数分前に遡る。
Aちゃんの頭を撫でていたら
小さい糸がついているのに気づいて、
取ってあげようとした。それだけだった。
メガネをかけてなかったから細かいのはよく見えなくて、
取るために近づいてしまったのだが
それが川上さんの逆鱗に触れたようで。
近づかないで。
って顔に書いてあった。
ビビって逃げてきちゃったけど
普通に考えたら仲良くして怒られるって何？
普段クールなことが多い川上さんが
恋愛面ではここまでになるとは想像ついてなかった。
でも俺も川上さんの気持ち知ってるのに
近づきすぎちゃったかな。うーん。
.
.
.
てか川上さん絶対好きじゃん！！！
もうめっちゃ好き好きオーラ出てんじゃん！
Aちゃん鈍い自覚あるって聞こえたけど
これ気づかないの相当よ！？
煮え切らない気持ちを抑え込んで
俺は5周目の記事チェックに入った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 425人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷち。(プロフ) - qkﾌｧﾝさん» ありがとうございます！毎日更新頑張ってるんです、これからもよろしくお願いします！！ (2019年11月16日 13時) (
レス) id: f9f196cf1a (このIDを非表示/違反報告)
qkﾌｧﾝ - 更新頻度高くて嬉しいです！これからも応援してます♪ (2019年11月16日 1時) (レス) id: 938e232f21 (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - Mokaさん» ありがとうございます！嬉しいお言葉です(;_;)頑張ります！ (2019年11月10日 9時) (レス) id: 959900271f (このIDを非表示/違反報告)
Moka - 本当に好きです!!!これからも頑張ってください!!!応援してまーす!!! (2019年11月10日 1時) (レス) id: e15c47c4d0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - qk_a_z_u_さん» い、、1番！？光栄すぎます、ありがとうございます！！これからも頑張ります！ (2019年11月8日 22時) (レス) id: 959900271f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷち。 | 作成日時：2019年11月1日 21時
