15 ページ16
izw side...
ある日川上が夕方にオフィスに来た。
今日彼は休みだったはずだ。
時間的にも大学が終わってすぐの時間帯。
彼にしてはこの時間に来るのは珍しい気がする。
｢あれ、今日休みじゃなかった？どうしたの？｣
何か緊急事態なのだろうか。
｢伊沢さん、引かないで聞いてくれますか。｣
いつになく真剣な川上に俺も身構える。
俺が頷くと、川上は口を開いた。
｢実は……｣
川上が、電車の中で女子高生の生徒手帳を拾ったらしい。
一連の説明を聞いて、気が抜けてしまった。
｢なんだよ川上、何をそんなに真剣に悩んでたの？普通に返せばいいじゃん｣
俺が軽くそう言うと、
川上は口をもご…とさせた。
｢ですよね、やっぱりそう思いますよね｣
彼の態度は釈然とせず、
なにか不満があるっぽい。
｢なに、なんでそんな不満そうなの。｣
聞くと、また川上は黙ってしまった。
今日は川上が何考えてるかわかんないな。
俺も困ってしまって考えを巡らせていると、
川上はまた
真剣な顔を向けて言った。
｢届けるだけで終わりたくないんです。｣
｢……は？｣
思わず声が漏れた。
届けるだけで終わりたくない？？？？
人の感情にはなかなかするどい方だと
自負していたが、今回ばかりは全く読めなかった。
そうか。あの川上が。
途端に俺の顔が輝く。
｢え？恋？恋しちゃったの？？？｣
俺の目の輝きが川上にも伝わったらしく
分かりやすく嫌そうな顔をしながら
｢違います恋じゃないですやめてください｣
と早口で言う。
これが恋ではないなら何だと言うのか。
｢ただ…何故か届けるだけで終わってしまったら
絶対後悔すると思うんです。｣
いやもうそれ好きじゃん。
それが恋だよ！！！
と声が出そうになって抑える。
俺が言うことではないな。
いつか本人が気づくまで
見守っておくべきだ。
まあ言わない方が面白そうというのはあるけど。(本音)
.
続きます
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 425人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷち。(プロフ) - qkﾌｧﾝさん» ありがとうございます！毎日更新頑張ってるんです、これからもよろしくお願いします！！ (2019年11月16日 13時) (
レス) id: f9f196cf1a (このIDを非表示/違反報告)
qkﾌｧﾝ - 更新頻度高くて嬉しいです！これからも応援してます♪ (2019年11月16日 1時) (レス) id: 938e232f21 (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - Mokaさん» ありがとうございます！嬉しいお言葉です(;_;)頑張ります！ (2019年11月10日 9時) (レス) id: 959900271f (このIDを非表示/違反報告)
Moka - 本当に好きです!!!これからも頑張ってください!!!応援してまーす!!! (2019年11月10日 1時) (レス) id: e15c47c4d0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - qk_a_z_u_さん» い、、1番！？光栄すぎます、ありがとうございます！！これからも頑張ります！ (2019年11月8日 22時) (レス) id: 959900271f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷち。 | 作成日時：2019年11月1日 21時
