東大王だって恋をする.6【伊沢拓司】

初詣 ページ12

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『 本当に着るの〜？そんな歳じゃないよ 』

母 「 いーのいーの！お母さんに似て美人よ！ 」

『 もう！こんなに良いの成人式ぶりだよ 』


宣言通り実家に伊沢と帰ってきていたA
丁寧に保存されていた 母−莉嘉(りか) のお下がりでもある白地に松竹梅の柄が大胆に入った着物を着ている


母 「 ほらほら拓司くんとお兄ちゃんに見せてきなさい！ 」

『 はぁーい 』


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『 拓司くん？おまたせ〜 』


伊沢と 兄−蒼(あおい) が待っているリビングに入ればバッと同時に振り向く2人


伊沢 「 おぉ！やっぱ着物も似合うな 」

兄 「 さすが俺の妹だわ。それ母さんの？ 」

母 「 そうよ〜！綺麗に保存しといて良かったわぁ

あ！拓司くんも着る？お兄ちゃんのあるでしょ？ 」

伊沢 「 え、いいんすか？ 」

兄 「 捨ててないならあるよ 」

『 じゃあ着ようよ！ 拓司くんも似合うよ！ 』

母 「 ほらほら！お兄ちゃん閉まってある場所変わってないから着付けしてあげなさい！ 」

兄 「 はいよー 」


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母 「 ふふ、その指輪見せて！ 」

『 ん、綺麗だよね 』


リビングから出ていった2人を見送ってから莉嘉がAの左手をとる


『 嬉しくて毎日つけてるの 』

母 「 いいじゃない、私も嬉しいわ！
お母さん、婚約指輪なんて貰ってないもん 」

『 結婚指輪だけ？ 』

母 「 そうよぉ、拓司くんもキザね
結婚式が楽しみでしょうがないわぁ 」

『 ふふ、私もこれだけで充分なんだけどね
拓司くんは結婚指輪も絶対あげるからって 』

母 「 んもう、いい子捕まえたわね！
お母さんまですきになっちゃいそう！ 」

『 それはダメっ、拓司くんは私の彼氏だもん！ 』


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兄 「 ｢ 私の彼氏だもん ｣ ねぇ 」

伊沢 「 恥ずいんでやめてください 」

兄 「 相変わらずラブラブだな。早く結婚しろ 」

伊沢 「 それはもう少し落ち着いたら、必ず 」

兄 「 へぇ、言うようになったなぁ 」

廊下で莉嘉とAの会話を聞いていた2人
そして、照れる伊沢の背中をバシバシ叩いて笑う蒼であった

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