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深酒をして見事に二日酔いになり、せっかくの休日を家でぐったりして過ごした翌日、研究室に顔を出すと真っ先に須貝さんに声をかけられた。
「ねぇA、最近少し伊沢が変な気がするんだけどさ」
『…なんで私に言うんですか』
「いや、ちょい不審な点があるんだけど、Aだったら原因分かるかなって思って」
『そんな何でも分かるみたいな感じで言わないでくださいよ』
「分かんなくてもいいからさ、聞くだけ聞いてくんね？」
全く、研究室に何しに来てるんだこの先輩は。
そう思ったが、普段研究決心な須貝さんがここまで前のめりになって別のことを話すのは珍しいので、それだけ彼にとって優先順位が高いのだろう。
大人しく席に着いて、その声に耳を傾けることにした。
「Aも誘われてたけどさ、ライターの募集って割と定期的にやってて、新人さんもそこそこ入ってくるんやけど、その新人の研修担当って伊沢がやってるのね」
『はぁ、そうなんですか』
「んで、新人ライターさん達が質問とかするとき用のメールアドレスがあるらしいんやけど、最近そこのメールを頻繁に確認して返信してるんよね」
『…その言い方だと、複数人を相手にしてるって訳じゃない感じですか？』
「そう。悪いと思いながら少し覗いたら、1人のライターのアドレスと何回もやり取りしてて。憶測でしかないけど、私用が入ってたらヤバいんちゃうかなって思って」
確かに、いくら新人研修担当が相手だとしても、新人がCEOに軽々しく何度もメールは出来ないだろう。
本当に色々質問があってやり取りしているのならとんだ早とちりだが、何となくその線は薄い気がする。
『…須貝さんは、どう思ってるんですか？』
「俺は、1件のメールの中で業務内容についてと私的な内容を半々で送りあってるんじゃないかなって。じゃなきゃそんな長くやり取りしないはず」
『ごもっともですね。…はぁ、何考えてるんだか』
「なぁ、A。もう1回オフィス来てくれない？」
『えっ？なんでそうなるんです？』
「今の伊沢を見て欲しい。雰囲気もちょっと変わってる気がするから」
超真面目な顔で4つも上の先輩にお願いされては、断る術は無い。
会社の人が、ライターへのスカウトを絶対にさせないことを条件に、翌日再びオフィスに行く事となった。
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浅間(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます〜！励みになります。更新滞らないように頑張ります…！よければ最後までお付き合い下さい！ (2020年9月6日 21時) (
レス) id: 2921f9dd64 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 文章も展開もとても好きです。更新を楽しみにしております…！ (2020年9月6日 14時) (レス) id: bc6f6fe928 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅間 | 作成日時：2020年9月1日 20時
