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そんなに自覚は無いんだけどなぁ…と考えていると福良さんや伊沢さんが僕の方をじーっと見てきて、
福「山本、なんか悩みでもある?」
『すごい直球ですね福良さん』
福「遠回しに聞くのは逆効果だと思って」
伊「なんかあるんなら言いな〜話すだけでも楽になったりするし」
川「恋愛系は答えられない確率が高いけど」
『そういうのじゃないんで…!』
悩み、にすらなっていないような曖昧なことなので、正直こんな事でみんなの時間を割くのは気が引けたが、僕が話すのを待ってくれているようだったので、ここ数日の出来事と思ってる事を話した。
『その人はあのコンビニで働いてる女の人で、僕と同い年だし学年も学科も同じだったんです。なのに全然知らなかった』
伊「…そんな怪奇現象じみた事、本当にあるんだなぁ」
川「想像以上に不可思議な感じやな」
福「それで、山本はその事やその子についてどんな風に考えてるの?」
『僕は……彼女の言ってることが本心だとしても、好奇心だけであそこから飛び降りることなんて、普通なら出来ないんじゃないかなって。僕の普通と彼女の普通は違うだろうけど、人間あんなところから下を見たら生理的に足が竦むと思うんです』
本当に好奇心だけだったとしても、いざ飛び降りるとなれば恐怖心は湧くものだろう。
でも、もし彼女が本心ではなく嘘を言っていて、最初から飛び降りるつもりだったら?
躊躇なくあの場にいることに疑問は抱かない。
でもそんなこと、考えたくない。
正確には、そんなこと考えていて欲しくないと思ってしまう。
『もし、死ぬことが本望だとしたらって、考えたくはないんですけど考えちゃうし。だとしても何故大学の構内なのかとか、なんであの時間なんだろうとか、もうぐちゃぐちゃで』
伊「…その子のことは俺達はよく分からないけど、山本はちゃんと言葉を交わしてるんだよね?だったらその時彼女に抱いた感情を大事にしたらいいんじゃない?」
『僕が抱いた感情…』
それは、間違いなくひとつある
『…なんて、感情のない目なんだろう』
僕が抱いた感情は、それだ。
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きちでーす(プロフ) - 浅間さん» この作品を読みました。スミマセン・・・これからの更新も楽しみにしています! (2020年3月31日 10時) (レス) id: dee570b2ba (このIDを非表示/違反報告)
浅間(プロフ) - きちでーすさん» コメントありがとうございます。内容の都合で本作では名前は藍で固定になってます。苗字のみ変えていただく設定ですので、ご了承ください。 (2020年3月30日 19時) (レス) id: 2921f9dd64 (このIDを非表示/違反報告)
きちでーす(プロフ) - 初コメ失礼します。名前変換をしても、設定では「藍」という名前になっているのですが・・・ (2020年3月30日 17時) (レス) id: dee570b2ba (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 浅間さん» いえいえ〜 (2020年1月16日 15時) (レス) id: 96cb70a1d2 (このIDを非表示/違反報告)
浅間(プロフ) - 鈴さん» 外していたはずなのですがいつの間に……ご指摘ありがとうございます! (2020年1月15日 20時) (レス) id: 2921f9dd64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅間 | 作成日時:2020年1月13日 23時