夕焼けと憂鬱

6.夕焼け ページ14

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(your side)



夕焼けというのは面白い。
色の変化、空気の違い、晴れていれば毎日見られる身近な自然現象。

より空に近い場所で見たい。
そう思って構内の屋上に上がった。

飛び降りようとか、そんな考えは一切無かった。


その時は。


だけど、私を保護しに来た警備の人に、くれぐれも早まらないでと念押しされて、逆に好奇心が湧いてしまった。


次の日も夕焼けを眺めて、暗くなった頃に屋上の端へと歩を進める。
ここは街灯より高い位置だからきっと見つからないだろう。そう思って下を眺めていると、屋上のドアが開いた。

立っていたのは、最近アルバイト先によく来る有名な人だ。
QuizKnockというところで活動しているのは、自分も動画サイトを見るから知っている。
そんな人がなぜ、と思ったが、私の行動を止めに来たらしい。



数日後の晴れた日にまた屋上で空を眺めていると、その人もまたやって来て。
名前を聞いたり色んな質問をしてきた。
私は嘘偽りなく本当の事を話した。だからなのか分からないが、インタビュアーはとても悲しそうな顔をしている。

あぁ、こういう対応をすると他人を悲しませるんだなと、冷静に思って、その場を去った。




今日もいつもと同じコンビニでレジをしに行く。
異様に店員の多い奇妙なこのコンビニ。なぜこんなに多く店員をシフトに入れるのかと1度店長に聞いたことがある。

すると、店長は、｢シフト希望出してくれてるのを削っちゃうとね、コンビニなんてすぐ人が辞めていくのよ｣と言っていた。だから人件費がかさんでも、人の確保のために皆の希望通りにシフトを入れているらしい。



やっぱり、私の代わりになる人なんて、いくらでもいるのだ。



そう思っているということは、心のどこかで誰かに必要とされたいという気持ちがあること。
そして私は、それを認めなくない。

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