Call me back again【短編集】

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｢何、彼氏のこと考えてたの？今更｣

『今更なんて言わないでください、いつだって気にはかけてます』

｢だったら何度もうちに来ないでしょ｣

『…伊沢さんは、別だから』

｢相変わらず都合のいい思考回路だ｣




ベッドに押し倒され唇を押し付けられる。
言葉の強さと比例した荒々しい口付けは、私に考え事をさせないための強引さのように感じる。
この関係をズルズル引きずってしまうのは、この人を振り切れない私の弱さからだろう。




｢はっ…あ…。もうさ、いい加減俺だけにすればいいのに｣

『…、本当に私が好きなら、こんな荒々しいことしないはずですよ。…虚言で騙さないでください』

｢優しいのがつまらなくてここに来てるくせに｣

『…ほんと、伊沢さんなんて嫌いです』





そういいながら、今日もまた抱かれるのだ。
何度目か分からない。決して本当の感情の交わらない、虚像の夜。
この浅葱色のような夢から冷めたくないと思ってしまうほどには、心酔しているのに。

素直になってはいけないのだ。




それは本当の恋人のためか、私自身のためか。







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浅葱色(あさぎいろ)
字の通り薄いネギのような色です。つまり青緑。
izwさんで初めて書いたのがこれだったんで、今後まともなもの書けるか不安ですな

Trick -wtnb→←浅葱色の夢 -izw

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