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「気になる人がいるらしいんだけど、忙しかったりで全然時間が作れなくて距離の詰め方が分からないんだとさ。ちょっとしたタイミングで話しかけたりはしてるらしいけど、それじゃ女性って意識するに値しないのかって」
『んー…そのちょっとしたタイミングの頻度にもよるんじゃ無いですかねぇ…あとは話してる内容とか』
「なるほどねぇ、ふつーに日常会話じゃダメな感じ?」
『…趣味とか、興味引かれることじゃないと意識まではいかないんじゃないかなと』
「へー……」
ちょっとしたタイミング。
そう、まさに今みたいな小休憩の時に伊沢さんに話しかけられることは多々ある。
それも大体世間話で、何回か言葉ラリーを交わしたら仕事に戻る。
……まさか。
本当に、私を…?
「じゃあさ、あんまり時間取れないって分かってる相手であっても、Aは告白されたら嬉しい?」
『…………そ、れは』
私は、嬉しいに決まってる。
だって伊沢さんは私にとっても想い人なのだから。
でも素直にそう返してしまっていいのだろうか。
こんなことなら、あの定型文のことなんて知らなければ良かった。
純粋な気持ちで、"伊沢さんのお友達"の話に意見を言えたのに。
私は、伊沢さんの気持ちを知ってしまったから。
『嬉しい、ですよ。きっと』
「きっと?」
『きっと。そのご友人のお相手も、きっとご友人の事を想ってると思うので』
「……A、」
『なので、いつかしっかりと想いを伝えられるといいですね』
これが私の精一杯。
意地悪な言い方だったかもしれないけど、あくまでも私は知らないフリをしなきゃいけないんだ。
だってこれは、伊沢さんのお友達のお話なのだから。
fin.
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自分の事だと分かっていても、素直にそれを言うことが出来ないのは人間の性だと思ってます。
だから少女漫画って無限にすれ違ってるんですよね。
あんなのモノローグ全部伝わればすぐ完結する()
まぁ、作者はさして少女漫画読まないんですけどね…笑
浅間
メッセージの送信を取り消しました -ymmt→←これは私の友達の話なんだけど -izw
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浅間(プロフ) - いろさん» 返信が半年近く遅れてしまいすみません…!!!!コメントありがとうございました!好きと言っていただけてとても嬉しいです…。マイペースな更新で申し訳ないですが、もしよければ今後ともよろしくお願いします! (2020年7月15日 0時) (レス) id: 2921f9dd64 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 今更感すごいですがコメント失礼します!前々からすごく好きで見させていただいていたのですがとうとう好きが溢れました。好きです。失礼しました。 (2020年3月4日 21時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅間 | 作成日時:2019年10月24日 17時